言向和平は、ことむけやはす と読みます。
古事記に記載のある、大和言葉です。
古事記と言えば、日本の神々を記した、日本最古の書物です。
712年に編纂とありますので、今から1312年前の書物ですね。
そんなに古い物が、紙で残されているというのは、本当に感動に値しますね。
今我々が、電子媒体で残しているものというのは、1000年後の後世に残せるものか、少し疑問ですね。
さて、言向和平の意味ですが、天照大御神が天孫(ニニギノミコト)を高天原から地上に降臨させる時、「地上の荒ぶる神々を言向け和して、一つに統一して治めなさい」と、使命を与えた言葉です。
原文漢字 “悉言向和平山河荒神及不伏人等”
「言葉で説いて、人の心を和らげ、双方に益するやり方を」ということです。
こういう言葉が、いにしえの大和言葉にあったのです。
古事記によりますと、日本の神々は、何かあるたびに“天の安河原”に集まり、お互いに本当を気持ちを伝えあったといいます。(神集い)
このように、“気持ちを丁寧に伝えあうことが、和平の原点”なのです。
いにしえの大和(やまと)は、和をもって尊ぶという精神がありました。
大和という字も、大きな和です。
日本には、古来より素敵な言葉があります。
大和言葉として現在も使われている言葉に、“和える(あえる)”というのがあります。
料理で使われる言葉です。
日本では、混ぜると言いませんね。 和えると言いますね。
異質の物を混ぜるだけでなく、調和させることが肝要であるという事なのです。
さて、現世はどうでしょうか?
話し合いが少なく、比べることばかりしていますね。
話し合わず、疑うことばかりしていますね。
世界的にみても、そうです。
様々な分断が起こり、事件化しています。
そんな中、我々日本人は、古来からの良い精神を引き継いでいます。
心の奥底には、その精神が宿っていますので、思い出すのは容易いことです。
こんな時代だからこそ、日本人が和を尊ぶ事を思い出して欲しいと思います。
我々の心は、西洋化され過ぎたのかも知れません。