長年、トヨタ式をほうぼうへ教えておりますと、教えの吸収の早い人と遅い人、まったく吸収しない人の見分けがつくようになりました。

セミナーなどでは、会社に言われて仕方なしに参加した人というのも、すぐ分ります。

教える立場に居る人は、そういうことが分かるようになります。

 

会社員時代もそうですが、部下に仕事を教える時も、呑み込みの早い者と遅い者の差はあります。

それは、単に性格とかではなく、仕事そのものに興味があるか否かの差が、態度に出ているのです。

 

何かを教わっている時は、必ず疑問が生じます。

興味の無い人は、疑問すらわきません。

疑問が生じた時に、質問する人と質問しない人の差もあります。

吸収が早い人は、必ず質問をしています。

「質問はありますか?」と聞いて、そこから「えーと、えーと」と考える人は、それまでに疑問がわいていなかったのです。 急に考え始めても、疑問は出ません。

 

吸収の早い人は、聞いている時に疑問がわき、それをメモしています。

聞いた内容をメモしているのではなく、質問することをメモしています。

同じメモを取るのでも、内容が違うのです。

 

質問をたくさんする人は、吸収が早いのです。

仕事を覚えるのも早い。

質問することにより、腹落ちします。

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中国の古典に、次の言葉があります。

善問待者如撞鐘

「よく問を待つ者は、鐘をつくが如し」

 

「よく問を待つ者」とは、教える先生の事です。

「鐘をつくが如し」とは、鐘をつく時に、小さく叩けば小さく鳴るし、大きく叩けば大きく鳴るという、教えを受ける者の立場を言っており、優秀な先生に教えをこう時は、質問をしなければ答えてくれないし、たくさん質問をすれば、多くの事を教わることが出来るという意味です。

要は、教えを受ける人は、たとえ優秀な先生だったとしても、質問をしなければ多くの学びは得られないという、教わる立場の者の姿勢のことを言っているのです。

 

現代は教師の受難時代だといわれています。

教師に問題はあるかもしれませんが、しかし、やる気のない生徒をなだめすかして教えなければならないのは、なんとも大変なのです。

 

私自身、たくさん質問をしてくれる受講生は大好きです。

真剣に聴いているというのが、ビシビシ伝わります。

だから、もっと教えたい気持ちになります。

 

皆さんは、どちらのタイプですか?

日頃から、疑問がわくタイプですか?

疑問が生じたら、質問していますか?

そういう日頃の習慣が、あなたを成長させているのです。

疑問がわかない人は、啓発本を読みましょう。

知識がつけば、気付きも多くなり、疑問も増えます。

上司に言われたことだけやっていては、成長しません。

自分の力は、自分で鍛えるのです。

コツコツ、やり始めましょう。