年末年始で様々な問題が発生し、連日テレビなどで報じられている事がありますね。

 

その“問題”と言われている事の捉え方に問題がある場合があります。

 

政治と金の問題についても、「申告していなかった」という問題に対し、派閥解散、パーティ禁止という対応で、果たして解決していく問題なのか?という所に疑問が生じます。

 

そして、トヨタグループの不正問題。

これまで、トヨタの良い所ばかりを書いていましたが、あえてこの問題にも触れたいと思います。

今回も、豊田自動織機の排ガス値申告の不正問題が新たに発覚しました。

基準値には合格しているものの、測定データがばらついていたので、ばらつきを小さく見えるような数値に書き換えたという内容です。

ダイハツの件や今回の件について、様々な分野の方々が所見を述べられておりますが、今ひとつ問題の捉え方が違うように感じております。

 

少し整理して、共通点などを探っていくと見えてくるものがあります。

1.不正は、グループ内の子会社で発生している。

2.いずれも、評価部隊がデータを書き換えている。

 

不正というのは、①自らが得をしたい、②外部からの圧力があったなどのいずれかです。

今回の件は、①は考えにくいのです。 何も得にはならない。 逆に、不正工作をするのに手間がかかっている。

であるならば、②の要因が高いと言わざるを得ません。

 

では、どこからの圧力か? 上司か? ←これも考えにくい。 上司も得をしない。

となると、設計である。 設計の思惑通りの評価結果が出ていないからである。

では、どういった圧力があったのか?

「改ざんしろ」とは言わない。

考えられるのは、「評価方法が悪いに違いない、やり直せ」と責めたのではないだろうか?

ここで、問題がズレるのです。

設計が悪いのに、指摘した人間が悪いに変換されるのです。

自責から他責に変換されるのです。

こういった責任転嫁は、あり得るのです。

 

もう一つの共通点、“グループ子会社で起きている”点について。

設計と評価部隊では、評価部隊の方が権限が強いのです。

この力関係は、当然のことです。

本社内でも、評価部隊の方が強いのです。

ですが、子会社の評価部隊はどうでしょうか?

本社設計より、強いのでしょうか?

どうでしょう? その場に居たわけではありませんので、ハッキリとは分かりません。

?????と、しておきます。

恐らく、そういった所にメスを入れないと、本質のところは解明できないでしょう。

 

豊田自動織機には、以前の不正問題発覚からコンプライアンス室が出来ました。

多くの企業がコンプライアンス室を設置し、社内の不正問題を報告してもらうようにしています。

私は個人的に、このコンプライアンス室も問題だと思っています。

今回、この室がどのように機能したかは分りませんが、「会社の問題点を会社に報告する」というシステムは、少しキナ臭い思いがあります。

健全に機能すれば自浄作用につながりますが、不適切に機能することも可能ですよね?

「報告してくれて、ありがとう」と会社のトップは言いますが、担当に近い者はそうでない場合があります。

問題のすり替えが起こっている場合があるのです。

不正が問題なのに、「報告した奴がけしからん」になりかねません。

問題を何とかしようとせずに、問題を報告した奴をなんとかしようとするのです。

先に書きました、「設計が悪いのに、評価方法が悪い」に変換されているのと同じです。

 

日常で発生する問題についても、同様なことが発生しています。

「問題がある」と報告した人を問題にしていませんか?

今、大きな話題となっている松本人志さんの件もそう。

事実関係が解りませんので、どちら側も擁護するつもりもありませんが、問題は、芸能界という業界でパワハラやセクハラが力関係で平気で行われているということです。

世間一般的に信じられない程のハラスメントが、未だに横行している業界なのです。

ジャニーズの問題も同じ。 ジャニーズ内の力関係、TV業界でのジャニーズの権力。

個々に発生している問題は、それ自体問題ではありますが、業界全体で問題が発生し易い体質なのです。

 

問題に真摯に向かい合うというのは、当たり前のように言いますが、実は難しいのかも知れません。

自分の思ったように行かないことは、他人のせいにする。

人間の弱さかも知れません。

もっともっと、我々は強くならないといけません。

自分が不正をしていなくても、自分がハラスメントをしていなくても、他山の石で、自分の襟を正して行かなければなりません。

様々な問題から自分も勉強し、「何が問題の本質か?」を見極めていきたいと思っています。

そしてもし、万が一 不正や過ちを犯したときは、できるだけ早く素直に報告することです。

時間が経ったり、他人に報告される前に、自ら素直に正直に。

問題のすり替えをしないように。