「段取りがうまくいかない、手間ばかりかかって、効率的に思えない、、、、。トヨタは、どのようにやっているのですか?」という質問をよく受けます。
特別なことをやっている意識はないのですが、トヨタの段取り術というのはあります。
“段取り術”と、一般向けに言っておりますが、トヨタでは“自工程完結”もしくは“JKK”と呼んでいます。
(JKK=Ji Koutei Kanketsu)
現場の“作業要領書”のように、細かく区切った動作(要素作業)ごとに、良品をつくるための条件(能力、要件を満たした工具など)、やり方、注意点や禁止事項、いつまでに、自分の作業が正常に完了したと判断できる現象、を明確にして、決められた順序で手順として紙面に落とす行為を“自工程完結”と呼んでいます。
トヨタの現場には、作業要領書が必ずあります。
しかしながら、スタッフ部門の仕事には、必ずしも仕事の要領書がありません。
そのため、やり直しをする仕事が多く、残業時間がなかなか減らない要因でもありました。
そこで、現場にある精神(やるべき事は標準にして、それを守るための訓練をすることで、良品が出来る)を、スタッフ部門にも浸透させるのを目的として展開したものです。
決められた段取りがあれば、ミスが無くなり、やり直しが無い。 という考えです。
難しいことを言いましたが、我々の生活の中でも、ちゃんと段取りを考えて行動したりしています。
例えば、海外旅行計画。
これも、段取りがまずいと、旅行に行けません。
家族で行くとなると、まずは、家族全員が旅行に行けるタイミングを図らないとなりません。
お父さんだけ、年休が取れなかったので行けなくなりました、では、台無しですよね。
予算を確認せずに、世界一周船旅なんて計画しないですよね。
年休が連続して取れる時期と、取得可能日数。 予算に応じた行先。 まずは、同時期に出発するプランが掲載されたパンフレット入手。 そして、具体的な行先を決定する家族会議。 などなど。
海外旅行に行くための計画、準備は、たくさんの細かな決定事項があり、段取り良く実行しなければ、実現しないのです。
他に、忘年会の開催幹事を引き受けた場合。
まず、一番最初にやる事。 一番偉い人のスケジュール押さえ。(👈これ、私がやっていた順番)
半年以上前に押さえます。 2候補を押さえておきます。
次に、会場予約。 私は、100名以上の忘年会幹事でしたので、100名が入れる場所は、なかなか予約できない。
しかも、偉い人は座敷の宴会でないと、機嫌が悪い。 そんな場所は、8か月前に予約すれば取れます。
もちろん日付は、一番偉い人のスケジュールを押さえた日です。
予約が取れれば、部員に日付を知らせます。(6か月前)←この日は空けておけよ、という意味。
おおまかな予算も知らせる。 3回くらいに分けて、先にお金を徴収する。
ビンゴゲームをするので、景品は、偉い人から頂く。(回収してまわる) 先に、次長クラスから頂く。
「〇〇次長は、高級オリーブオイル3本セットを出されました」と部長へ言って、「部長は、何を?」と訊く。
それ以下の物は出さないから。
忘年会が滞りなく開催できるのは、幹事の腕です。
決めないとならない事の順番を間違うと、開催も危ぶまれます。
宴会の幹事をなめてはいけません。
トヨタで部長クラスになった方々が、若い頃にやった幹事は見事なものでした。
仕事が出来るから、段取りがうまい。 手際がいい。 苦労してやっている感がない。
そして、その宴会は最高に盛り上がる。
仕事ができる人は、何をやっても段取りがうまい。
頭の中に、作業要領書があるのです。
そして、もう一つ言いたいのが、“子供のころから、段取りを考えて行動している”です。
これは私見ですが、以下のようなことをして学んでいると思っています。
・キャンプでの火起こし。
・放課後の掃除。
これらは、段取りが悪いと、うまくいきません。
35年ほど前、私が後輩達とキャンプに行った時のこと。
18歳の後輩は、手首ほどの太さの木に、ライターで直接火をつけようとしていました。
このような話しをすると、大概の人は笑いますが、会社では、同じようなことをしているのです。
掃除もそうです。
掃除は、段取りがうまくないと出来ません。
子供の頃からやっていると、失敗するやり方をたくさん知っています。
だから、大人になっって失敗しない段取りで出来る。
机の上、引き出しの中も、常に整理・整頓できていて、朝来たら、机上の拭き掃除から始める。
そんな人は、仕事も出来る。 頭の中も、整理・整頓され、すっきり清潔になっている。
そして、段取りが大切だと知っている。
いきなり仕事に取り掛からない。 段取りを考えるところから始める。
段取りの悪い人は、段取りの良い人が、朝から何をしているのか観察して下さい。
そして、真似をすること。 まず、何から始めているか?
1日だけ観察しても解ります。 自分との違い。
そして、段取りの悪い部下を段取り良くさせる方法。
それは、マニュアルを作ること。
「段取りを良くしろ」「要領よくやれ」と、叱咤激励してもムダです。 そんな事では、改善しない。
マニュアルを作って、ひたすら守らせる。
ルールを作って、守らせる。
「朝来たら、仕事計画書を提出すること」でもいいです。
朝から昼まで、メールを見ている部下が大半ですから。
もちろん、仕事計画書作成は10分以内にできるようなものにすべき。
旅行の幹事が出来ない人
宴会の幹事が出来ない人
焚火の出来ない人
掃除の出来ない人
仕事の出来ない人
すべて、段取りが出来ない人です。