最近よく見かけるのが、「頑張らなくていいよ」という言葉。

確かに、皆んな疲れていますよね。 そういう時に、この言葉は有難いかも。

しかし、状況によっては、頑張らないとならない時もありますね。

今日は、検査の話しをします。

製造工場の検査員の話しです。

多くの仕入先では、検査員の集中力を維持するように「集中、集中!」と声を掛け、見逃しを防止しようとします。

これ、逆効果なんです。❌

人間の集中力は、長い時間継続しません。 1日7時間の勤務の間、集中力を高めたまま維持するのは不可能なのです。 不可能なのに、精神力で何とかしろ!と言っているのです。   もう、軍隊かも知れません💦

そして、検査の見逃しが発覚する度に、照明を明るくします。

これも、逆効果。 目が5分で疲れてしまって、使い物にならなくなります。😩

何でもかんでも、とにかく強化!   頑張れ! 気を抜くな!  という日本古来の精神論。  これを未だに実践している、体育会系体力自慢の上司達。💪

もっと、考えなければなりません。


日本人は、とかく「頑張れ」と言いがちです。 運動会の応援にしても、「頑張れ〜」と声援します。

欧米は違います。 「リラックス、リラックス」と、言っています。

日本人は、ネガティブ感情が強く、自信の無い人が多いと言われています。

だから、「大丈夫!出来る!頑張れ!」と言った方が良いのかも知れませんね。


しかし、毎日の仕事は別です。 7時間という長時間、頑張れません。

マラソンをする時、スタート直後からコーチが「ダッシュー!!」とは叫びませんよね。🏃🏃‍♂️

でも会社では、そういうことを言っているのです。 常に、全力でやれと。‪💧‬


もっと、科学的に仕事をしなければいけません。🔬

検査員は、とにかくリラックスして、目を疲れさせないようにしなければなりません。

そのために、照明は400ルクス程度にします。 かなり薄暗いです。 でも、目には優しいのです。

そして、そのくらいの方が、不具合を見つけやすいのです。 ここには、科学的根拠もあります。

それから、検査方法ですが、“周辺目視検査”という方法を用います。 一点を集中して見るのではなく、全体をボンヤリと見ます。 違和感のある箇所を見つけ、そこから“集中目視”をします。

不具合を見つけるのではなく、良品イメージと異なる所を見つけます。

対象商品が小さい場合は、5個程度並べて、同時に見ます。 違和感に気付きやすいからです。

それから、検査対象商品を動かして見るよりも、対象品は動かさずに検査員が動いた方が、見つけやすいです。

これは、ペンを振りながら、ペンに印刷された文字を読めるかどうか実験をしたら、直ぐに分かります。

ペンを動かさずに、人間が動いた場合は、文字が難なく読めます。



こういった知識があれば、検査能力が格段に向上します。

闇雲に「頑張れ!!」、「根性だっ!!」と言っても、状況は悪くなるばかりです。

以前から何度も言っていますが、知識のない努力は、無駄です。


ですから、仕事を進化させるには、新しい知識が必要です。

「照明が明るい方が、見つけやすいだろう」という思い込みは、間違いです。

是非、400ルクスを体験して下さい。 あまりの暗さに、信用出来ないかも知れません。

室内照明灯で、机の真下くらいの明るさです。 その明るさでなければ、7時間持たないのです。


頑張らせた方が良いのか? リラックスさせた方が良いか?

その場の状況、その人の性格によって異なります。

正しい知識があれば、正しく対応できます。

まずは、知識です。📓🔍

同じ仕事を繰り返していては、変化は起こせません。

考えてみてください。😊