仕事をしていると、様々な情報が飛び込んで来ます。
メール、電話、ネット、面直での話しなど、様々なソースから重要な情報、まったく重要でない情報が延べつ幕無しに入って来ます。
特に、メールのなんと多いことか。 どんどん捌かないと、トンデモない量が溜まります。
部下の中には、報告しなくても良い事も「とりあえず上司にメールをしとけば、後から何も言われないだろう」と、一日に何通もメールをしてきます。
これを読んでいる皆さんがどういう立場か分かりませんが、上司はそういった“無難な仕事”をしている部下は、それなりにしか評価をしていません。
「とりあえず、こうしとけば、、、、」というのは、「まあ、この方法だと失敗はしないだろう。成功もしないかも知れないけど」という意味合いですよね。
しかも、このメールが小説のように長い人が居る。 まるで“物語”のようだ。
メールが一日に150通も来る上司にとっては、この長いメールが苦痛です。
「いったい、何が言いたいんだ?」って、思うのです。
「昔々ある所に、お爺さんと、、、、」という始まりの文章が多いのです。
「私達を苦しめていた鬼たちは、桃太郎という青年が仲間達と一緒に退治しました。もう安心です。」
先に結論を書いて欲しいのです。
アメリカでは、こういった手法を広く教えています。 学校でも教えています。
日本では、学校で教わった記憶がありません。 作文は書きましたが、報告書とは違います。 3行の作文を書いたら怒られますしね。
短い言葉で、要点を伝える
アメリカで教えてもらったのは、PREP法でした。 PREPとは、「Point(結論・要点)」「Reason(理由)」「Example(事例・具体例)」「Point(結論・要点)」の頭文字をとったものです。このやり方については、ここでは触れません。
先に結論を報告せよということです。
私がお勧めするのは、更に短い単語で相手に伝える ということです。
しかも、小学生でも理解できる言葉で。
難しい言葉をダラダラと言っていても、何も伝わりません。
肝心なのは、伝わること。 しかも、心に残る言葉。
口から出る言葉も、書く文章も。
普段から曖昧な言葉を使ってはぐらかすことをしている人は、いざという時も曖昧な言葉を使います。
文章もそうなります。 普段から、訓練をしておかなければいけません。
どうやるのが良いか?と言うと、
紙に書くことです。
だらだら書いてはいけません。 要点のみです。 何を書くのか、枠組みをしてから書き始めます。
いきなり書き始めると、「昔々、、、」となります。
紙は、限られたスペースです。 限られたスペースに要点のみを書く。 これが訓練です。
トヨタでは、問題解決手法の結果報告を、A3サイズの用紙で報告させています。 フォーマットは、決まっています。
全員が、同じフォーマットで報告します。
これが、訓練なのです。
限られたスペースに、半年かけてやった事を書く。 結構、大変です。 考えて書かなければ、スペースが足りません。
何を書くのか?、幾つもある事柄の中から選択して書く。
報告書を見る人が“何を知りたいのか?”を考えて書きます。
会社でしたら、このように訓練するのが良いでしょう。
時々、自分の事も紙に書いてみると良いと思います。
・自分が面と向かって言われて嬉しい事
・自分が面と向かって言われてむかつく事
・陰で、自分の事を言われて嬉しい言葉
・陰で、自分の悪口を言われて腹が立つ言葉
これを書くと、“成りたい自分像”が浮かび上がります。
他に、
・自分は、どう成りたいのか?
・自分は、どうなったら幸せか?
も、紙に書いてみる。 単語で良いですよ。
色々な事を書いてみる。
書いた方が、自分で気付かなかった心の中が出てきます。
書く動作の間に、もの凄く色々な事を考えています。 単語を書くという制約があれば、膨大な思考をまとめる事が脳内で行われます。 そこに、論理的な思考訓練があるのです。
短い単語、言葉、文章で表現する訓練。
書くことから始めて、話し言葉も変えていく。
伝える力、伝わり易さは、日頃の訓練で身につけましょう。