先日、某ビジネス系SMSで喧々諤々と議論されていたことですが、「問題と課題の違いはなんだ?」というお題に対して、名だたるビジネスマンが様々な回答をされておりました。

国語辞典をひけば、それぞれの意味が出ているのですが、これほどまでに違う意見を持っている人が居るのに驚きました。

ちなみに、国語辞典では、

問題: 研究・議論して解決すべき事柄。

課題: 課せられた題・問題。

とあります。

これだけでは正確に理解はできないかも知れません。

 

以下は、私の意見です。

問題とは、解決すべき事柄で、今発生している問題から将来発生し得る問題を含む、広い時系列範囲に存在している。

課題とは、数ある問題の中から、取り組む問題をピックアップし、具体的に実施する行動をいう。

解り難いですか?

多くの人が「問題」については理解していると思いますが、「課題」について曖昧な理解をされていると思います。

幾つか、事例で説明します。

 

■(問題)自分で名刺交換した人の名刺しか持っておらず、その会社の他部署の方への連絡方法を調べるのに苦労している。

(課題)自分が名刺交換した人以外の名刺情報の視える化管理が必要だ。(会社全体で名刺情報の共有化)

■(問題)数年に1度しか来ない仕事は経験した人しか出来ないが、仕事が来た時にはその人が異動していてやり方を教えてもらうことが出来ない。

(課題)レアな仕事も、手順マニュアルが必要だ。

■(問題)健康的な理想体重より現状は20kg多い。

(課題)・食事を減らす、・定期的な運動をする、・夜18時以降は何も食べない、・お菓子類を食べない

 

 

問題と課題の違いについては、これでご理解出来たかと思います。

次に、この問題と課題の次元とは異なる“やるべき事”の緊急度と重要度について少し触れたいと思います。

既に私のブログでも出しておりますが、やるべき事には4つの領域があります。

 

この表はご存知の方が多いと思います。

この4つのエリアの中では、②の重要だが緊急ではない案件が取り組んでいない事が多く、将来それが大問題に成り得るという話しをしました。

もう一つ、別の切り口のマトリクス表を紹介します。

これも、某SNSで紹介されていたマトリクス表ですが、問題を層別する切り口を変えたものです。

そこで言われていたのは、Aの領域には身銭を投じて対策をしようとするが、D領域にはほとんど身銭を払わないとありました。 これは、起業する人達がどの領域に居るか?という話しです。

起業家の場合、ほとんどの人が儲かる領域であるBに属していますが、今後はCの領域が成長してくるであろうと言われていました。

 

この表はかなり面白くて、私事ですが、ガソリンの急騰から自家用車に乗る機会を極力減らし、もっぱら徒歩か自転車、あるいは公共交通機関を利用する日々を送っています。

これは、上図のAの領域の問題ですが、社会全体で私同様の考えにならないものかと考えています。

というのは、日本人の給与が低い問題や、CO2削減が課題であるD領域の問題に直面しているのであれば、個々が自家用車を手放すことをした方が、効果があると思うのです。

自家用車を手放す場合、公共交通機関の不便さが問題となりますが(特に田舎)、それを解決するためにはD領域の活動が必要です。

このように、“自分ごと”と“他人ごと”というのは連動しており、地球温暖化、社会全体の貧困化の解決のために、個々の生活をどのようにしていくのか社会全体の設計図を描かないとならないと思うのです。

自動運転や電気自動車の普及についても、個人の自家用車に適用するのではなく、公共交通機関に限って運用していけば、D領域の問題解決につながると思うのです。

 

と、そんな事を個人のブログ内で訴えても仕方がないのですが、個人の感想と思ってもらったら幸いです。

個人の問題、社会の問題は、山のようにあります。

その中から、何を課題にして取り組むのか? 個人では何に取り組むか? 社会は何に取り組んでいるのか?

その課題を実施すれば、本当に問題が解決するのか?

そういった事も、たまには考えてみるのも良いかと思います。

皆さんの会社や職場に当て嵌めても良いかと思います。

今やっている事を続けていたら、本当に問題が解決するのか?

一度、疑問に思って考えてみて下さい。

もしかしたら、まったく関係の無いことを一所懸命にやっているかも知れませんよ。