変な質問をしてみました。 自社が何をしているのか、答えられない人は居ないと思います。

製造業であれば、「〇〇の製造、販売をしています」と答えるでしょう。

今回言いたいのは、製造、販売というのが主たる業務で、その他は間接的な業務ということです。

間接的な業務に携わる人達に言いたいのですが、本当に製造、販売を助けるような仕事をしていますか?

逆に、製造、販売の直接業務に携わっている人達は、自分達の仕事をより効率的に効果的に生産性を上げる努力をしていますか?

なぜ、こんな質問をするかと言うと、直接人員と間接人員の役割分担がおかしな事になっている事例が非常にたくさん見受けられるからです。

 

“おかしな事”と言いましたが、元トヨタマンから見た視点なので、もしかしたら、トヨタがやっている事が少し違うのかも知れません。

 

トヨタでは、現場の作業者が普段の生産業務をやると同時に、生産性を高める改善もやっています。 これを言うと、「うちも、そうですよ」と答える会社が多いのですが、実態はそうでは無いのです。

生産性を高める改善などは、エンジニアなどの間接業務をやっているスタッフにお任せしている例が多いのです。

だから、作業者は言われた事だけをやって、時間が来たら家に帰っているのです。

職場の人達と話しをするのは、出退社時のあいさつと、昼食時に少し話しをするくらいです。 改善について話し合ったりは、していないのです。

 

私がコンサルを始めて講演やセミナーで改善の話しをする時に、参加されている現場の人達の反応が薄いのに気付きました。 ピンときていない風なので、聞いてみると、「ああ、そういう改善業務は、スタッフがやるので、私達には関係が無いのです」と言うのです。

驚きましたが、多くの会社がそうでした。

 

トヨタの場合、生産性改善などの教育は、主に現場に対して行います。

TPS(Toyota Production System)も、主に現場に教育されます。

現場に居る作業者こそ、自ら生産性向上が出来るように、必要な知識を与えるのです。

製造、販売をしている会社であれば、その生産性を向上させるための知識は、現場に従事している直接工にしないとならないのです。

 

では、エンジニアなどのスタッフは、何をするのか?

現場からの具体的な変更依頼に対し、治具や設備の制作依頼を外注したり、技術的にサポートをするのです。 あくまでも、サポートです。

スタッフのメイン業務は、大きな変更を伴う事をやります。 例えば、大幅に生産性を向上させるための、工場全体のレイアウト変更や、新型車の生産準備のための工程変更など。

このように、役割分担がされています。

 

簡潔に言いますと、“現場は、作業者が変えていい” です。

 

皆さんの会社では、作業者が勝手に変えても良いルールになっていますか?

変えるには、お金も必要です。 現場が、自由にお金を使える状況にありますか?

作業者に、生産性向上の教育をしていますか?

 

もう一点、言いたい事があります。

設計図に載っていない事を、現場が工夫してこだわっていますか?

現場が職人気質の集団ですと、自分の仕事に大変こだわりがあります。

設計図に載っていないところも、丁寧に仕上げます。

作業者ごとに違うのではなく、設計図に無い箇所も、現場の作業要領書にはこだわりを入れて、指示しています。

ただの作業者ではないのです。 職人なのです。

職人は、自分の仕事にこだわりがあります。 昨日よりも今日の仕事が、出来が良い物を造ろうとしています。

 

こういった事が、トヨタで言う “現場主体”、“現場主義” なのです。

 

間接業務の人は、現場が最大限の力を発揮するようにサポートしなければなりません。

経理であっても、現場から申請する経費については、より簡単に申請が出来るようなシステムにしないといけません。 ありがちなのは、経理のマニアックな申請システムです。

 

皆さんの会社が何をしているのかは分かりませんが、主たる業務に最大限の力を注げるように、間接員は最大限のサポートをし、直接員は、自ら生産性を高める努力をしなければなりません。

そして、その努力が出来るように、会社は教育をしなければなりません。

「先輩を見て覚えろ!」では、駄目ですよ。 どんどん、大事なことが漏れて伝承されますよ。

 

皆さんの会社の役割分担、少し比重が変わってきていませんか?

現場に教育をして、お金を渡して、「変えなさい」と、言っていますか?

間接員ばかりを頼る世界をつくって、間接員を増員していませんか?

皆さんの会社は、何をしているのですか?