昨日、母が私に『ケチ』と言った。
買い物がしたいというので
明日、行こうと話していた時だった
「私、誰と誰と誰にお土産買いたいの。
あ、あと、誰と誰と誰にも。
いいでしょう?
あ、そんなの必要ないとか
ケチなこと言わないでよっ
これは私が買うんだからっ。」
は?
私、何も言ってないけど。
「どうせ言うんでしょっ
でも、あなたがなんと言おうと
私が買いたいから買うんだから
必要あるとかないとかじゃないんだから
これが最後になるかもしれないし」
だからさー、私
今、うんともすんとも何も言ってないじゃん
なに、鼻っからその言われたテイで話してんの?
「言われる前に言っとくのよ
予防線よ、予防線」
だからっ、
言ってもないのに
決めつけて話すんの、やめてよっ
「言うでしょ?
そう思ったから」
だからっ、
決めつけないでって言ってるでしょっ
私はそーゆう風に言われると
とても傷つくのよっ
「ケチ」
一瞬、顔が強ばった。
鼓動がドキドキ早くなって、
胸の奥の方でチクーって痛みがあった
なに、こんな二文字の
たかが単語に反応してんだ?
次第にわなわなと震えるような悲しみと
ムカムカと煮えくりかえるような怒りが
同時に湧いてくる
ふたつの感情は連動してるようだった
悲しみが強くなるほど
怒りもどんどん激しくなる
胸の奥で感じていたのは
「分かってもらえない」悲しみだった
悲しみを感じたくなくて
言葉や態度、思考を巡らせて
「分からせよう」と怒りになった
お母さん…
なんでよっ、
なんで私のこと
分かってくれないのよっ
「ケチ」って単語に私は
不足や我慢、不満を連想させる
私はお母さんに
お金のことで苦労させたくなかった
大酒飲みの父のせいで家はお金がなくて
お母さんが朝から晩まで働いていた
だから
父が死んでからは
楽させてあげたくて
贅沢させてあげたくて
お金の心配してほしくなくて
我慢したり
切り詰めたり
惨めな思いさせたくなくて
もうお金のことで
苦労させたくない
その思いで頑張ってきた
そして
そうできてると自負があった
だから、
他の人に「ケチ」と言われようと
なんとも思わないけど
母に言われるのは…嫌だ
まだまだだとダメだしされてるようだ
私の頑張りが足りないみたいだ
やってきたことを
分かってもらえないようで
とても悲しい
そんな自分の気持ちを全部ちゃんと言った
私はお母さんにケチって言われたことを
(↑のように)言われているように聞こえて
私の気持ちを分かってもらえなくて
すごく傷ついたって
すごく悲しいって言った
過去に一度、母の買い物にダメって言ったことを
何度も引っ張り出して
また言うんでしょ、また言うんでしょって
またまたまたって…
いつも言っているみたいに言わないでよっ
結局、その時だって買ったじゃん
買えなかった訳じゃないじゃん
千のやれたことは当たり前で
1回のダメって言ったことで
全てをひっくり返すわけ?
言っててどんどん腹がたってきた
お母さんにムカつくなんて
お母さんに怒りがわくなんて
…………いいの?
お母さんに怒りぶつけるなんて
すげーー罪悪感
そんなことしたら
そんなことしたら
そんなことしたら
暴力ふるってた父親とおなじになっちゃうじゃん
実際に暴力はふるわなくても
怒りをぶつけてるのは同じじゃん
母を責めてることに変わりない
同じなのか?あいつ(父親)と…
あいつ(父親)も
分かってもらえなくて悲しくて
分かってもらいたくて怒ってたのか?
私は分かってもらいたかった
私は分かってもらいたいだけだった
すべてはお母さんのためにやってきたこと
すべてはお母さんを守りたいだけだった
すべてはお母さんの役にたちたいだけだった
ーーーーーーーーこの先は言えなかった
役にたって必要とされたかった
必要とされて愛されたかった
「私は選ばれなかった」という子供の時の体験は
何か条件とかないと愛されないになってしまった
お姉ちゃんにはないものがないと選ばれない
また私は置いていかれる、という恐怖が残った
大人になって選ばれなかった理由が分かっても
愛されるためには必要とされないと
必要とされるためには役にたたないと
愛されるには
条件や資格が必要という
自分で勝手に作った方程式がなかなか崩れない
無条件で(私の)母が愛してくれるなんて思えない
例え今、
何もなくても愛してるわよって言われても
私はにわかに信じられない
言わせたようにしか思えない
たった一回選ばれなかったことで
他の千の愛されてたことがひっくり返るほど
幼い私にはショックだったんだ
これも、今回の母と同じなのか?
はぁぁぁぁー
頭……頭では理解できるんだよなぁ
同じとこでぐるぐるしてる
もう、もう、これ苦しい
終わらせたい
これ、過去から変わらないパターンなんだよなぁ
自分で決めたルールなんだよなぁ
決めたって決意した記憶ないけど
やらないって決めても
頭で決めたことは実行できない
考えて仕方ないって思おうと
理由を解明して納得しようと何度も試みたけど
心が納得しないと終わらないっつーか
なんかあの時言えなかったこと
なんか残ってるんだろうな
あの時…
「行かないで」は言ったけど
「私を選んで」って
「私を置いていかないで」って言えなかった
「お母さんと一緒にいたい」って
「お母さんと離れたくない」って
拒絶されるのが怖くて言えなかったな
自分が選ばれなかったことを
受け入れられなかったな
今もか