気になっていた映画を観てきました。
ネタバレありなのでご了承ください。
【解説】
バレエ界きっての異端児といわれるダンサー、セルゲイ・ポルーニンを追ったドキュメンタリー。19歳の時、史上最年少で英国ロイヤル・バレエ団のプリンシバルとなったポルーニンは、その圧倒的な存在感と類まれな才能で「ヌレエフの再来」と称されながら、わずか2年後に突如として英国ロイヤル・バレエ団からの退団を発表。そのニュースは世界中を駆けめぐり、彼にまつわる様々な噂が飛び交った。その後、歌手ホージアのグラミー賞ノミネート曲「Take Me To Church」のMV出演で、ポルーニンは再び大きく注目されることに。写真家のデビッド・ラシャベルが監督をつとめてポルーニンが踊ったこのMVはYou Tubeで1700万回以上の再生数を記録し、それまでバレエに関心がなかった人々にもその存在を知らしめた。本人や家族、関係者のインタビューなどを通し、ポルーニンの本当の姿に迫る。
前週に、同じル・シネマにて【オペラ座 夢を継ぐもの】を観た時に予告編をみて気になっていたけど、こちらもドキュメンタリーだし、淡々としてるんだろうなと思っていましたが、、
後半は涙を抑えることが出来ず、会場はすすり泣きの声が聞こえていました。
ドキュメンタリーでありながら、セルゲイの年齢を追って成長し、上達していくバレエの映像が、ポルーニンの心情と重なるようにうまく組み込まれていて、ドラマティックで、『上質な、シナリオのある物語』の映画の様でした。表現変だけど…。
純粋に踊りが好きが性格で天真爛漫な幼少時代、家族の期待とサポートを一身に受け、母の支配的なコントロールに苦しみつつロイヤルに留学します。
豊かな才能に恵まれてもいるけど、家族の人生を背負い (父と祖母が外国に出稼ぎ) 成功するしかない重圧。
いつか自分の成功によって家族を一緒に出来ると信じて死ぬほど頑張るけど、その両親が別れてしまう。自分が信じてきたものが脆くも崩れてしまい『何のために踊ってるんだろう』と葛藤する。
世間はヌレエフ以来のダンサーと熱狂し、身体が痛んで痛み止めとアドレナリンを出すためのドリンク剤を大量に飲みながらも舞台に出続ける。
美しい彫刻の様な体にどんどん増えていくタトゥーが、彼の心の痛みを表しているようでした。
古典作品ではドーランで隠す手間がかかるのに、どうしても入れたかったんだろうな。ある意味の自傷行為かもしれない。
葛藤し、何かと闘いながらのロイヤル時代。
痛々しい魂の叫びの様なバレエが展開します。
スパルタクス?、ほぼ半裸の兵士姿で戦い、走り回り、槍に突かれ、吊るされる。
幕間に控え室の椅子に倒れこむ姿。息をするのも苦しそう。
そして絶頂期に突如退団し、モスクワに新天地を求めるけど、やはり何か満たされない。
全てを捨てて引退するために、最後の作品作りとしてTake me to the church の振り付けをロイヤル時代の同級生に依頼し、魂のダンスを公開。
これにより、
初めて、今は離れ離れになった家族を自分の舞台に招待し、これまでの感謝の言葉を伝えるというラスト。
時間がかかったけれど、やはり踊りが好きでやめられない、そんな自分を受け入れて、家族を受け入れられたという瞬間が見られてよかったーと心から思いました。号泣😭
天才と言われるレベルの人でも、すごい才能にめぐまれていても、そのレベルにしかわからない辛さ、葛藤があるんだなーと
オススメの映画です。

