弟が障害を持っている…普通とは違う…


その事は幼い私にはひどく恥ずかしかった。


だから、友達と遊ぶ時は弟の話は一切しなかった。むしろ、まるでいないかのような扱いをしていた。


最低な姉だ…


弟が6歳になるかならないかの頃、ようやく少し言葉が出始めた。

でも、多動、奇声、こだわりの強さが目立っていた。


小学校は確実に支援級。


その頃、家庭の複雑な事情で、私は祖母と2人暮らし。弟は両親と祖父との暮らし。


両親は私の気持ちを考え、私の通う小学校とは別の小学校の支援級に弟を入学させた。


ある日、友達から

「スーパーでめっちゃうるさくて走り回ってる子供がいたけど、あれ、fullmoonちゃんの弟だったよ」


私の心臓はバクバクした。


「ああ、まだ小さいからうるさいんだよね」


咄嗟に出た言葉だった。


それからも弟の事はひた隠しにしていた。


学年が上がるに連れて、言葉はたどたどしいものの、多動は少し治まってきた。


でも、弟の事はちっとも可愛いとも大事とも思えなかった。