次男くんが5年生のクリスマス前、生き物を飼いたいと言った。共働きでバタバタな毎日。生き物の世話をする余裕なんてないよ。
「なんでもいいから飼いたい」
じゃあ、ちょっと見に行こう。
元々ペットショップにはよく行っていた。
子犬や子猫、鳥に爬虫類、魚…楽しいもん。
世話が楽そうで可愛い生き物っているのかな?
うさぎ…カメレオン…インコ…オウム…
ねこ…いぬ…
やっぱり猫や犬の可愛さって格別だね。
実家でずっと犬を飼っていたし、やっぱり犬が大好きなんだなぁ…私。
そんなこんなで、次男くんとペットショップめぐりをするようになった。
あるペットショップ。ついに、次男くんが一目惚れした。ベンガル。なかなか良いお値段…。
落ち着け!次男くん!今日のところは帰ろう。
その日から次男くんが笑わなくなった。ずっと悲しい顔をしている。私は仕事から帰った後、一人でペットショップに行った。
店員さんと「このベンガルちゃんを息子が気に入ったんです」なんて話していたら、小さな子供を2人連れた若いヤンキー風のママが来た。
「マジー!ベンガルいるじゃん!かわいいー!すみませーん、このベンガルって今日連れて帰れます?」
私を見つめる店員さん。
「今、悩まれてる方がいるんで、お待ちいただけますか?」そして又見つめられた。
えー!今?断ればあのヤンキーママが連れて行っちゃうってことでしょ?
次男くんの悲しい顔が浮かぶ。
「すみません。買います。」言ってしまった。
ブツブツ言いながらヤンキーママは店を出て行った。
それから2週間後、クリスマスは過ぎていたけど、次男くんのクリスマスプレゼントとして、ナナちゃんが我が家に来た。