最近読了したのがこちらの本。
針生悦子
『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』
私が今まで英語を教えてきて
体感覚として感じていたことが
この本で証明された感じでした。
(言葉で説明してくださってありがたや)
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さて、
赤ちゃんのうちからマルチリンガルの
環境に置いておけば、
子どもはあっという間に言葉を覚える
という考え方があります。
結論から言うと、
「あっという間」ではない
ということです。
赤ちゃんは生きていくために
自分が習得しなければならない
言葉を知っているそうです。
自分を世話してくれる人はだれか。
食事を与えてくれる人はだれか。
守ってくれる人はだれか。
それをしっかりと感じ取って
その人の話す言語を習得します。
なので、赤ちゃんに対して
例えば英語のDVDやYou Tubeを
ひたすらかけ流しても
赤ちゃんには雑音なのだそうです。
雑音!
雑音なんだってよー!![]()
赤ちゃんへの母語以外の
アプローチを促す手段として
効果があるとすれば、
ベビーシッターさんが
母語以外の方である場合とか、
ご両親や身近な方が
外国語を話す場合などだそうです。
そして、保育園1~2歳の頃
英語のプリスクールに入れたら
バイリンガルになるでしょ?
という場合も、
ちょっと注意が必要です。
例えば日本に住む日本人の場合、
子ども達は自分たちが生きるのに
必要な日本語を必死で獲得している最中。
そこに英語環境を与えてしまうと、
プリスクールでは
がんばって英語のサバイバルをし、
家では日本語・・・という、
すごく大変な思いをさせてしまうことに
なるそうです。
(そういう環境で育つしかない子もいます)
著者さんは、両親が中国人の
ネイティブ中国語話者の子が
日本の保育園でどうやって
日本語を獲得していくかを
追跡調査していました。
そこには中国人の小さな子の
涙ぐましい努力が綴られています。
まとめると、、、
1.
赤ちゃん(幼児)は自分が生きていくうえで
必要な言語を知って獲得していく。
マルチリンガル環境であれば、
この時赤ちゃんはめっちゃガンバル。
大好きなママの話す言葉が赤ちゃんの
言語の土台を作るのね~![]()
2.
一方で、母語の基盤ができている
学童~大人は、
その言語を学ぶ必要があると思えば
(その言語が楽しい!場合はもちろん)
赤ちゃんが言葉を獲得するプロセスよりも
効率的な方法で
言語を習得することができる。
外国語教材はここで効果を発揮する。
子ども向け楽しい教材とかも、ここで使えばいいね。
3.
自分の幹となる言語に基づく
思考力・表現力以上のものは
母語以外では出せない。
母語の土台を太くすることが
外国語を技術的に習得するより
よっぽど大事!
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我が娘が、2歳から5歳になるまで
英語を断固拒否していた
その理由もわかるなぁと思いました。
処理が大変だったんだね。
英語教室だったら
先生の言うことは聞くけど、
お家の中でまで
頑張りたくなかったのね![]()
(そして日本語力が安定してきた今、
英語にも興味を持っています)
英語で育ててしまった息子には、
本当に申し訳ないことをしました。
懺悔反省会。。。
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生徒さんたちには、
英語が「自分事」になるように
導いていくことも
大事なお仕事だと
あらためて思いました。
「自分事」になるためには
さまざまな角度からの
アプローチがあるので
どれがその子にヒットするか、
常に個別対応の
常にアップデートですね。
そして赤ちゃんのママたちには
英語英語と気負わず、焦らず、
のんびり、ゆっくり、
とにかく我が子を
いっぱいだっこして
いっぱい可愛いー
って
やってほしいなぁ
と思いました。
そして、
ママ自身が自分を赦して
自分を楽しむのが大事ね![]()
Happy Days in Odawara

