読了 空にピース | 思った記

思った記

日々の雑記。
描いてみた絵。
読んだ本のこと。


出不精おばちゃんの
狭い世界での、頭の中。

上段に

出版社による あらすじ に沿った範囲での内容


下段に

個人的な感想を

ネタバレ気にせず、配慮なし で

書いてます。


ネタバレが お嫌な方

下段は、お読みになりませんように🙇


東京郊外の公立小学校に新しく赴任したひかりは

はじめて出会う、厳しい家庭環境下におかれた児童たちの境遇に 衝撃を受ける。


ウサギをいじめて楽しそうな 真亜紅。
給食の時間にだけ学校に来る 大河。
ほぼ日本語がわからない グエン。


これまでの教師としての経験がまるで役に立たない、厳しい現場で一人一人と向き合ううちに
ひかりは、子供たちの真の輝きを見つけていく…。

新米教師の奮闘と成長に心震える
感動作。




 


公立小学校の教員になって5年目の
澤木ひかり。




教育実習生時代

自分がまだ実習生であることと
直接関わる立場でなかったことを言い訳に

家庭に問題のあった 女児の存在を知りながら

なにもできることはない と決めてかかって
実際、なにもしなかった。



その子は、ひかりの実習期間中に
不幸な事故で亡くなってしまう。

ひかりのせいで亡くなったわけではないけれど




もっと
自分にできることが
あったのではないか




と、自責の念が沸き起こる。



もう、そんな後悔をしたくなかったし

なにより
子供を、生徒を守りたいと
ひかりは決意する。






そんな彼女が
問題山積な小学校へ赴任した。




家庭の貧困。
ネグレクト。
外国人労働者家庭の子の、言葉の壁。
大人による児童への暴力。
小児性愛者の魔の手。


守られるべき子供たちが
守られない。





当然、子供は問題行動を起こす。


不登校。
授業中にもかかわらず教室を出ていく。
相手を殺しかねないほどの暴力性。





先輩教師は、見て見ぬふりをしろと言う。




しかしひかりは
そうしなかった。できなかった。





前任の教師たちが見捨て
視界から弾き出してきた その子たち。




「子供のすることには、理由がある」

という信念のもと
ひかりは
見捨てることなく 諦めることなく

子供らの側に 何度も 寄り添おうとする。



ときに、一教員としての立場を越えたような行動もとる。






教師とは
"仕事" と割り切るには
あまりに責任重大な職業だなと 改めて思う。


やりすぎれば、下手すると 自分が呑まれてしまうような。



そうならないように、自分を守ろうとするなら
生徒との関わりは、希薄なほうが 無難だ。




だけど
子供たちは
大人からの 救いの手を 待っている。



子供たちが、諦めてしまう前に
その手を 掴めるか 否か。




本作では

ひかりは、子供たちを概ね救うことができた。





おおまかには、ハッピーエンドだ。


それは
自身の心身がすり減ろうとも、子供を守るという信念を持つ教師(ひかり)に
子供たちが出会い

かつ、信じることができたから。




子供が よくなるには
子供自身が 絶望しきっていないこと

それも大事なんだなと感じた。