上段に あらすじ 


下段に

個人的な感想を

ネタバレ気にせず、配慮なし で

書いてます。


ネタバレが お嫌な方

下段は、お読みになりませんように🙇‍♀️



PMSで 感情を抑えられなくなる美紗。

パニック障害になり 
生きがいも気力も失った山添(男性)




二人とも、抱える病気のせいで 元の職場を退職。

小さな、アットホームな会社に転職してきて
同僚として出会う。




はじめはお互いに 苦手意識をもっていたが

自分が苦手だと感じる、相手の態度が
病気のためだと知ったとき
 


友達でも、恋人でもないけれど
同士のような気持ちが芽生える。



自分にできることは少なくても
相手のことは助けられるかもしれない と思うようになり。





人生は苦しいけれど
救いだって ある。 

生きるのが少し楽になる
心に優しい物語。







頭の中では


それ以上、言うべきではない!
もう やめといたほうがいい!

と 判っている 怒りや、イライラが


自分の意思では 止められない。




どころか

破滅的な段階に行き着くまで
吐き出してしまう。 暴走。





女性であれば、多少なりとも心当たりのある現象ではないだろうか。
そんなのとは 無縁な人がいたら
それはもう!羨ましい!尊敬!!!




わたしにも
身に覚えがある。




わたしの場合は、長い反抗期だったのか滝汗
PMSだったのか
よくわからないけど。


受診しても
PMSという診断はつかなかった。
(から…じゃあ、反抗期か 不安)





でも
主人公 美紗が抱える 
このPMSという病気に似た 感覚

止まらない怒りの暴走 は


知っている。だから、解る。





片や、もう一人の主人公、山添の抱える
パニック障害については


未経験のわたしには
ほんとうには、解らない。  だろう。




自分の行動を制限される空間やシチュエーションで
死ぬかと思うくらい 苦しい 発作が起きる。

その あまりの苦しさに
今度は、発作の予兆に怯えながら

外出が ままならなくなる。
実際にまた 発作も起きる。


身体的には異常はない。
なのに、なぜ… という
出口の見えないループ。




こうして、文字でいくら読んでも

ただ、つらいだろうな という"推測"しか 
できない。






職場や、家族に
病気や障害のある人が居ると

ツラさを 推測 はすれども

  "本当に解る" ことって
難しいと思う。




自分の "知らない" ことは "解れない"。

どう頑張っても。




解れなければ
病を抱えて苦しむ相手を

誤解したり、キズつけたり してしまうだろう。

人と人が、理解し合うって 難しい。





だけど "理解" はできなくても。
 


自分の抱えるつらさと重ねてみて

"つらさがある" って、つらいだろうな って
推察して


そして
こうしてあげたら、相手が少しは ラクになるかもしれない

お互いに考えはじめたのが
美紗と山添だ。





二人の、互いへの そんな気遣いは

ときに多少… いや、かなり押し付けがましく暴走するが。

ちょっと…
自己満足なニオイがしないでも ないが。


なので
やはり互いに、相手の厚意を そう感じては

困惑する部分がありつつ。  




でも

差し伸べられる手を 

迷惑!  なんで!?  
よく知らないくせに、ほっといて!! 


振り払うのではなく




誰がが自分を気にかけてくれている

それ自体は
相手の悪意じゃないんだ と思えることで



少しずつ、光に向かっていけるようになるのかな と。





それから

病気からくる、その人の
決して褒められたもんじゃない言動を


まるでスポンジかクッションのように

やさしく受け止める、周囲の環境も 

大事なんだなと感じた。




二人の 再就職先みたいな 場所。

怒り続ける美紗のことも
無気力で無愛想な山添のことも

悪く捉えない職場の人たち。



オトナな、嘘偽りのない スルースキル。



表面的にだけ「いいよ、いいよ」と言いながら
本心では 扱いにくいな とか 思ったり

も、ない。



美紗の怒りも
山添の無気力も
彼らの本質ではない と

ちゃんと、理解してくれる。




それは
病の人の抱える苦悩のうちのひとつ

いたたまれなさ を 軽くしてくれる。
(ゼロ には、ならないかもだけど)




わたし自身は、どれだけ

表面的な態度だけで、人を判断してしまわずに
いられてるだろう?

上っ面でだけ、理解したフリをして
本音では 煩わしがらずに いられてるだろう?




誰かの不機嫌や無気力に あてられても
すぐに
「この人、ダメだ!」とジャッジしてしまわないような




広い心がほしい。