![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240224/08/full-stars/96/30/p/o0747108015405260798.png?caw=800)
両親共働きで
比較的裕福・安定感のある家に逃げ込んでいる
引きこもりニートの「俺」。
就活に失敗したことが、かなりのトラウマになっている。
二十代後半になっても
自室に閉じ籠もりオンラインゲーム漬け。
将来への展望は何も無い。
死ぬまでこの ぬるま湯のような生活を続けるつもり。
そして
親に対しては、屁理屈や不平不満しか言わない。
そんなある日
「俺」は、ついに両親に愛想を尽かされ
離島の 薄汚れた、元 研修施設だった建物に送り込まれた。
このままでは生活が立ち行かなくなる!
考えた末「俺」は
下宿代目当てに
自分と似たような境遇のニートたちを募って
この 元 研修施設で
"共同生活"を始めることにする。
新しい仲間や
穏やかな島民と交流するうちに
「俺」の閉じた世界が少しずつ広がっていく…
まず、作品タイトルの『二百十番館』の
二百十とはなんなのか と。
主人公「俺」が、亡くなった伯父から相続した離島の建物に
最初からついていた、何か由緒正しき名称かと
思いきや
家賃収入を当て込んで
その建物をニートの下宿として活用しようと決めた「俺」による命名で
"二百十(210)" = "ニート" の
語呂合わせなのだった。
大学在学時の就活に失敗して
日がなゲーム三昧な
引きこもりニートになった「俺」。
…最近の小説にありがちな
この手の登場人物が出ると
我が子が、こうなりかねんよな と
現状ゲーム三昧な学生の息子を横目に
ちょっと心配になるが
そこはまあ、まだ訪れぬ未来なので
不安になっても仕方ない と
その思いをどこかへ追いやって、読み始める。
別に
息子がヒッキーニートになったときのために
参考にしようと読むわけではないが。
作品内では
てんやわんやあるけど
概ね、うまいこと全てのコトが運んで
ハッピーエンドの大団円を迎える
まあ、安心感のある内容。
読み取ったことは
過去の失敗のせいで
未来のことが怖くなっても
恐れてうずくまってるだけじゃ
何も解決しやしない。
現実から逃げるため だけの 自己正当は
なんの役にも 立たない。
ということ。
あと
なんだかんだいっても
親ってありがたい。
この作品が描くのは
性善説の やさしい世界。
こうじゃない、厳しい現実も結末もあるはずで。
それはまあ、また別のお話。
コレは
安心して読めます。