Ayumiの成長日記「あゆブロ!」
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お知らせです…

-報告4-

0時をまわった頃。


『じゃ、私店に戻るから~』
『…えっ??』
上司は私を気遣ってくれたのか
いきなり席を立ち、そして
『ちゃんと二人で話して…』
と、小声で私に言った。
二人で話せる機会を与えてくれ
たのが、すぐわかった。


『すいませ~ん、この娘おいて
いくけどい~い?』
側にいた彼とマスターに声を
かけて帰り支度を始める上司。
その様子をポカ-ンとした顔で
見上げている私。
『飲み過ぎて、ここで寝たり
しないでね~?!』
そう言い店を出ていく上司に…


『寝ちゃったら、俺が送ってい
きますよ!』


……え?


……今何て?


確かに聞こえた、彼の言葉。


寝ちゃったら、本当に送ってく
れるのかな……。


彼と上司のやりとりを聞いてて
何だか恥ずかしかった。
だって…。
いくらバーテンダーだからって
お客さんを家まで送らない…。
『そういう仲です』って、
認めてるみたいじゃない?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


その後、急に一人残されて、
どうしたらいいものか…。
私はお酒の入ったグラスをただ
眺めて俯いていた。
すると目の前に彼がくる。
私はあえて喋らなかった。
彼から何か言って欲しかった。
今まで彼を追い掛けて、ひたす
ら、喋ってはアピールして来た
私。
無口になりたい時だってあるの
よ…って見せたかった。
彼が私を見ているのは、視線を
感じたからすぐにわかった。


『相変わらず小食ですね』
『…?』
私の横には、冷めてしまった
あんかけ焼きそば。
食べ切れなくて、少し残って
しまい、とっておいた。


『半分手伝おうか?』
『えっ…?…あっ』
ぱくっ!
私から取り上げて、食べる彼。
『Kさ~ん、しょっぱいよ』
厨房のKさんに笑いながら、
味付けのダメ出し。


そんなに、しょっぱくはなかっ
たはずなんだけど…。
むしろ、美味しかった。
きっと私が気まずくならないよ
うに、わざと言ったのだろう。
優しい嘘を…。


以前、彼と食事をしても一人前
を食べ切れないでいると、彼が
『手伝おうか?』
と言ってくれていた。
あの頃と全く変わらない。
優しかった、あの時のまま。


あまり、優しくされると…
困るんだけどな。
また好きになっちゃう。
諦めて…なんて。
もう無理なんだよ。


時計の針は1時をまわっていた。


-報告3-

『次何飲む?』
上司に言われてメニューを
パラパラ…。
ちょうど私達の前にいたKさん
というバーテンダーさんが。
このKさんは元バーテンダー。
今はこの店の厨房担当。
『オススメありますか?』
迷ったあげくオススメを聞く。


『ワインはどう?』
『…ワイン?』


ワインなんて飲んだことない。
赤白なんて違いもわかんない。
悩んでると彼がやってきて、
『白はスッキリして酸味がある
んだよ。赤はね……』
ゆっくり話し掛けてくる。
私がワインを飲んだことない
って知ってたからだ。


『じゃぁ…白で!』


グラスに注がれた白ワイン。
ゆっくりと…ひとくち。
『大人な味…』
飲み慣れないから、そんなに
美味しくは思えなかったけど、
ワイングラスを持っただけで
少しだけ大人になれた気分。


すると。
目の前に試飲用のグラスらしい
小さなグラスが置かれた。
その中には赤ワイン。
『え……?』
『よかったら、こっちも
飲んでみて』
彼がさりげなく出してくれた。
『あ…ありがと……』
三杯目で既に酔ったのか、
彼の顔がぼんやりして見える。
こういうサービスはきっと
他のお客さんにもしてるはず。
でも…嬉しかった。
ほんの少しでもいい。
お客さんとしてでもいい。
私に接してくれた事が…。

赤と白の飲み比べをして、
頭をかしげてる私を横目に、
上司は焼きそばを食べながら
微笑んでいた。
その瞳からは言葉にしなくても
ちゃんと伝わった。


『良かったね?』


私はそれに笑顔で返した。


カウンターの上にはランプが
燈っている。

Ayumiの成長日記「あゆブロ!」-Image980.jpg
『優しい光…』
完全に酔ったらしい。
上司がトイレに立ったのも
気付かずグラスの中のワインを
見つめていた。


そんな私の前をマスターが
通りすがりに…
『ワイン似合うねぇ♪』
その一言がくすぐったくて
私は無言で笑顔で返した。
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