小さな助産院で産声を上げた私は
何故か新聞紙に包まれ
そこへやってきた男性に手渡された
この男性こそ、生涯私に
沢山の有り得ない経験をする
きっかけとなる父親だった
一応泣いてご挨拶
汚物か何かを手渡されたと
そう思っていた父は
ゴミ箱へ捨てようとした瞬間に
私が泣いたので、びっくりして
私を落としそうになる
母はと言うと
妊娠してから十月十日
つわりが酷く
何も食べられな無いという
出産の時も、貧血で何度も気を失い
その度に、助産師さんに頬を叩かれ、
私を生み終わったときには
両頬が腫れ上がっていた
そんなこんなでやっとこの世に
生まれ出た途端、ゴミ箱へ
捨てられそうになるわ
落とされそうになるわと
とんだスタートを切り
この先の人生どうなる事かと
不安でいっぱいになった