私は会社の経営って振り子のように左右に振っていくものだと思っています。

 

振り子??って感じだと思いますけど、例えば左に振っていったら必ずどこかのタイミングで、

今度は逆に右に振っていくようなものです。

 

 

 

全力で攻めの力を強めた後は、どこかの時点で守りを固める。

 

縦割り組織で各部門ごとの専門性を強めた後は、どこかで横組織に変えて

組織全体の力を使う。

 

人事異動で多くの人が動いたら、翌年は少ない異動に抑える。

 

 

 

などなど、どの方針を取るにしても必ず、一長一短あります。

 

攻めを強くしている時は新規開拓のスピードは上がるものの、フォローに関しては

追いつかなくなってしまうことが出る。

 

縦割り組織で専門性を強めると、個々の突破力は上がるものの、組織全体としては

分断が生じ、組織内のシナジー効果が薄れる。

 

人事異動で多くの人が動くと、組織全体は刷新されるものの、新たな役割に慣れるまでは

手間取ってしまう。

 

それぞれの逆も皆さん想像つきますよね??

 

 

 

片方だけの一辺倒ではいずれ組織としてほころびが出て減速していきます。

これは過去に起きた事例を見ても、明らかです。

 

かつて日本は白物家電や半導体などのハード面で、世界をリードしていましたが、

しだいに世の中はハードよりもソフトの重要性が高まり、

逆に触れるタイミングを逸した日本メーカーは苦境に陥りました。

 

パナソニックもかつては事業部制という縦割り経営で、拡大し、こぞって日本の企業は

マネをしましたが、現在は事業部制は廃止しています。

早めにハードからソフトに切り替えたソニーと日立が成果を出しています。

 

しかしまたそれもどこかの時点で、今、お家芸にしているものを変えていかないと、

また同じことの繰り返しになります。

 

 

 

そこで経営として大事なのが、どの時点で反対方向に振れだすか?のタイミングを決める事が一番重要になります。

 

そしてどのように反対方向にもっていくか?です。

 

 

 

 

これは経営者の仕事です。

反対方向に振れだす際は多額の先行投資費や労力が発生します。

タイミングが早すぎると、そもそも今の組織が成り立たなくなりかねません。

反対に遅すぎると、いつの間にか周囲に置いていかれ、挽回するには倍の先行投資と

労力が発生するため、二重苦になります。

 

今後の予想や周囲の環境、現在の組織力と風土を綿密に見極めながら、

タイミングを見計らい、周到に準備した上で、反対方向に振り出します。

 

 

このサイクルをタイミングよく続けられると、経営は続いていくと思います。

 

 

 

 

イノベーションのジレンマとか、両利きの経営と言いますが、永続している組織は

必ず行っていることなんですよね。

 

ファッションにもサイクルがあるように、芸術にも写実と印象のサイクルがあるように、

辛いものを食べた後は甘いものを食べたくなるように。

 

そもそも人間の摂理だと思います。

 

人間の摂理に反する動きをするから、どこかで滅びてしまうんでしょうね。