時折、社長さんのお話を聞く際に

「現場の事はゼロから始めた私が一番理解している!社内でも私が一番だ!」

と仰ってる方がいます。


会社組織として形態にもよりますが、20名に満たない社員数の会社さんなら、社長が第一線に立ってバリバリと営業の事をこなしていくのは、正しい事だと思います。

しかし、会社として成長して50名を超えるようになってくると、私はそうはいかないと思います。

私がモットーにしている事は、

「現場の事は現場の人が一番正しい」

と言うことです。


なぜなら私を含めてある程度の組織になった時に本当に社長は毎日、朝から晩まで現場の前線に立っているのか?

と言うと、おそらく立てていないと思います。


社内の事や対外的な事など、現場に立つ事以外にも、やらなければいけないことが増えてきます。

しかし、お客様の最先端のニーズは現場で毎日繰り広げられていて、現場にいるスタッフの子達は毎日最前線に触れています。

毎日触れている人と、時々現場に立つか、報告を受けるだけの人では現場の情報量は全く違うと思います。

あまり多くの情報量も持っていないのに、昔取った杵柄的な感覚で、自分が一番正しいと思い込んで、現場の声に耳を傾けず独断で創業時のように社長が判断していく事は非常に危険な事だと思います。

少しずつ顧客ニーズのズレが生じてきて、緩やかに遅れていく。
緩やかなので、なかなか気付きにくい。
表面化してきた遅れが発生すると、社長が現場のスタッフを叱責する。
結果、遅れるスピードを助長させる。


恐ろしいですね。。。




私は自慢ではないですが、不動産会社の社長でありながら、賃貸契約書を一回も作った事はありません。
売買契約を全て一人で完結した事もありません。



こんなこと言ったら、「大丈夫か!?」

と言われると思いますが、そんな事言ってもウチの会社の中には、私よりはるかに洗練された契約書を作るプロがたくさんいますから、私よりプロに作ってもらう方が格段に良いと思います。


私は経営のプロです。

昔は当然、現場をやっていましたので、その時は現場のプロでした。
しかし、今はやってないのでプロではありません。

プロではないのにプロと言いきっちゃうのは、なんだか怖いなと思います。



だから私は経営のプロとして、不動産だけでなく様々な業種の経営ができるようになりたいです。

一つだけの業種の社長ができるより、色んな業種でも社長が務まるようになれば、経営者としても非常に幅が広がり、可能性が広がっていくんじゃないかなと思います。



現場のみんなの意見を集めて、短期的、中期的戦術に組み込んでいく。

長期的戦術、もしくは戦略上、ヒントになる意見があれば社長が吸い上げて、社長が作る戦略に組み込んでいく。

短期的には良いものの中長期的には会社にとって足枷になると予測されるものは、採用せずに採用しない理由を説明する。


という具合に会社の未来図から、現場の意見を取りまとめて交通整理するのが、社長の仕事だと思います。



だから私は会議にはほとんど出ないですし、出てもただ聞いてるだけで、悩みがあればアドバイスする程度です。

あとはよろしくねー!みたいな感じです。



とは言っても私も会社で最初から、任せきりでできたわけじゃないです。
教育と採用を頑張ってやってきて、みんながだいぶ成長したのでやれています。

だから社長が現場から離れるためには、とにかく社内教育しか無いと思います。