フランス語のリスニングの勉強を兼ねて最近見ているのがLe Meilleur Patissier(最高のパティシエ)シリーズ。イギリスの料理コンテスト番組ブリティッシュベイクオフのフランス版。アマチュア参加者が毎週3つの課題を競うもので、フォーマットは同じなのだけど、イギリス版をほぼ踏襲している日本版(ベイクオフ)と異なり、独自性を出しているのがフランス。
まだ2シーズンしか見ていないけれど、以下のような違いが。
(1)タイトルからして違う
タイトルと審査員どちらを先に決めたのか不明だが、イギリス・日本版はベイクオフ、フランス版はパティシエとなっており、必然的に審査員にイギリス・日本版はパン職人がいるのに対し、フランス版は料理人&パティシエのみ。イギリス版そのままはやらないっていうこだわりを感じる。
(2)課題設定
課題はお菓子・ケーキ類に限られるのはタイトルが違うので当然。3つの課題のうち1つはテクニカル(与えられたレシピで全員が同じものをつくる)で2つは個々の参加者がテーマにのっとって独自のものをつくるのですが、この課題設定の仕方がイギリス・日本版とは違う。前者がモンブランを作ってくださいというお題だとすると、フランス版はモンブランをrevisiter(再訪)してtransformer(変形)してくださいというお題の出し方をされる。参加者は例えば栗は使っているけど見た目は全然モンブランではなかったり、逆に見た目はモンブランだけど味は違っていたりと三者三様のモンブランが出来上がる。
(3)評価基準も違うから作るものも違う
お題が違うから評価基準もイギリス・日本版が「いかに正しく作れたか」という点が重要視される。大して、フランス版はアイデアの独自性も問われる。イギリス版だと、アイデア勝負なものは、「見た目のギミックにこだわりすぎてて肝心の味をおろそかにしてる」とやや否定的にとらえられがちなのに対して、フランス版は見た目の個性みたいなものを追求するので、とてもカラフルでユニークな形のお菓子がどんどんできあがる。
(4)でも意外と厳正な審査
審査員の評価の仕方はフランスの方が、フォーマットでもあるかのごとく項目別(ビスキュイ、クリームなどデザートの要素別に焼き加減、食感、味などを評価、アイデア、見た目、総合評価)にきっちりと評価がなされる。一度、9-10歳位の子供たちが審査をすることがあったが子供達も単においしい!とかではなく、似たような形で評価しようとする姿勢に、論理的というか理由をつけて説明しようとするのがフランス人の傾向・強味なのかも?と思った。
めっちゃ長いので続きます