「帰ってきたウルトラマン 第33話『怪獣使いと少年』」 | A day free from work note by fukusuke

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ひさびさに、大学から早く帰ってきて、なおかつバイトもなかったもんで

ってことで、授業の資料をまとめようかと思ったけども、めんどくさかったんで特撮を見てました

「帰ってきたウルトラマン 第33話『怪獣使いと少年』」ってやつです

まぁなんでこれを見たかって言われると、帰ってきたウルトラマン作品、ってか昔の特撮作品を見返したいなぁって単純に思ったからで

ウルトラマンとか仮面ライダーとか、まぁ特撮全般に興味のない方はぜっっっったい見ないよねっていう作品

でもこの作品は特撮の域を超えて考えることができる作品の一つなんじゃないかなぁって

まぁグダグダいっても始まらないんで、あらすじを

ある河川敷で、黙々とあなを掘っている少年、彼の名前は 佐久間 良。実はこの少年、1年ほど前にこの付近で怪獣 ムルチに襲われてしまった。その彼を助けてくれたのが「地球の気候・風土の調査目的」で来訪したメイツ星人であった。その後、河川敷にある廃工場でメイツ星人と良との共同生活が始まる。メイツ星人は地球の環境調査で訪れたものの、地球の大気汚染が原因で体を蝕まれ、老人となってしまう。そのメイツ星人に変わって、メイツ星人の宇宙船を探し、穴を掘っていたのが良であった。良はその宇宙船に乗って、メイツ星人と一緒にメイツ星へ旅立つことを夢見て穴を掘り続けていたのであった。

 その後、街では良が宇宙人ではないか、との噂がたてられるようになる。中学生3人組が毎日のようにイジメにやってきたり、街でパンを買おうとしても「変な噂がたつと困るから」という理由でパンを売ってもらえない。街全体で良に対する迫害が行われていた。そしてしまいには、イジメに来ていた中学生が連れてきていた犬が超能力によって爆死するという不可解な現象が起こってしまった。

 一方、良の事に関する調査を行っていたMAT(知らない方向けにいうと、毎度ウルトラマンに登場する地球防衛軍的な)の郷秀樹(=ウルトラマン)は良が、北海道の江差出身ということで、良に関する調査を行っていた。その結果、良は母が死亡、父が蒸発しており、不幸な境遇であることがわかった。
 その調査をMATの隊長 伊吹に報告する郷に伊吹は
「日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握るとどんな残忍きわまりない行為をすることか…」
と言う。

まさに、この伊吹の言ったことが的中し、犬を爆死させられた中学生が町の人々を伴って、廃工場までやってきたのであった。
警察官までもが良を捕まえるためにやってきており、良は連行されそうになる。
しかしそこに老人(=メイツ星人)が廃工場から姿をあらわし、「私が宇宙人だ。彼を離して欲しい。」と訴える。その結果、良は開放されることとなったが、人々の怒り、そして怯えは頂点に達し、警察官がメイツ星人に発砲、メイツ星人は死んでしまう。

 すると、メイツ星人によって地中に閉じ込められていた怪獣 ムルチ が復活し、街を破壊し始める。人々は「早く退治しろ」と叫ぶ。
しかしながら郷は心のなかで「勝手なことをいうな。怪獣をおびき出したのはあんたたちだ。まるで金山さん(=メイツ星人)の怒りがのり移ったようだ…」と呟くのであった。


以上、長々となってしまいましたが、これがあらすじ

ここから特撮シーンに移行するってわけです


じゃあここから、今のあらすじから何が読み取れるかってお話

まずは「在日朝鮮人」差別

メイツ星人が名乗った苗字「金山」は在日朝鮮人に非常に多かった苗字だそうで、まず暗にこれを差別している問題について

そして「部落」差別

河川敷での生活、なおかつ良の持ち物などから、被差別部落問題差別について

あとは「少数民族」差別

良の出身地、江差、まぁ江差に限った話ではないけども、アイヌ民族に対する差別問題ってのが含まれていること

あとは、これはコアな特撮ファンしか分からないかと思うけども、このお話を書いたのが上原正三さん

上原さんの出身地は沖縄、ってなわけで、沖縄(たぶん琉球も含まれると思うけども)に対する差別

ってのも含まれてるのではってことです


そして、この物語を通して、何が言いたかったのか

日本人、いや人間の残虐性ではないかと

じっさい、何が原因で良に宇宙人の噂がたったのか、は分かりませんでした、だけども結果的には間違っていた
憶測の段階にも関わらず、自分が未確認のモノには徹底的に排斥する人々
特に中学生が良をいじめている描写は非常に心が痛みます、だって土に埋めて、顔だけだして、その上から泥水かけて、しまいには自転車で轢こうとしてたし

おかゆを作ってる良のもとへ行って、鍋をひっくり返して、それでも一生懸命こぼれたおかゆを鍋に戻そうとしている良、だけどもそのこぼれたおかゆさえ踏み潰す中学生の描写

たしかに宇宙人っていう、特異でなおかつ人々から恐れられるような存在ですが、今回に限っては何もしてないし、何も企ててない

ただ単に憶測で、しかも自分の恐怖心を消すためだけで、執拗な排斥をする
しかも本当なら、このような市民を守るべきである警察さえも、自分の恐怖心をなくすために加担する
ここに人間の残虐性を映し出そうとしたのではないか、しかもそれに絡めて、当時の各差別を描いたのではないか、こういう風に考えられます

そんでもって、この人々
少年を排斥しようと、石を投げるは暴力を振るうわ、好き勝手してたのに、いざ怪獣が現れると、自分たちを守ろうとする

その原因が自分たちにあるとも考えずに

こんな人々に対する見苦しさに対して、「勝手なことをいうな。怪獣をおびき出したのはあんたたちだ。」という郷(=ウルトラマン)

ウルトラマンがこんなセリフを吐いてしまうほど人々は本当に残虐かつ見苦しいってことですよ

こんな奴らを守る必要があるのか、この人々が悪なんじゃないか、きっとウルトラマンもそう考えたはず

いつも人を守る立場のウルトラマンにこんなセリフを言わせてしまうのはなかなかでした

とまぁこんな感じな物語

人々の残虐性を変えることはできないと思うけど、差別問題についてはどうか、変わったのか?

まぁ答えは言わずもがなですかね

差別ってのはなくさなければならないものだけど、なくなるもんじゃないし

こればっかりは理想論を貫いても変わらない

じゃあ今の世の中は差別をなくす、なくすための何かをしているのか、って言われたら

それはそれで違うなぁって

せめて自分だけでも誰に対しても差別なく接せられるようにならなくちゃなぁって、考えさせられた作品でした