私はきっと幸せだった
あの時のあなたが沈まぬ太陽だったから
今日の午後からは授業は休み、3年生は受験勉強の為に
学校も配慮を見せているらしい。
私から言わせれば配慮というより放棄だ。
進学を考えていない私にとって学校は他人との唯一の繋がりだったのに・・・。
決して人気者でもなかったし、男子から告白された事もない。
友達が多かったわけでもないし、特別な何かを持っていたわけでもない。
勉強だけは少し出来た。つまり、ごく普通の女の子。
それでも学校は好きだった。
他愛無いお喋りやちょっと気になる男子と目が合うとドキドキしたり。
そんな普通の日常が好きだった。
帰りのバスの中で昼下がりの川辺を泳ぐ鯉が見えた
もう直ぐ家に着く。山間の寂れた温泉街が私の町。
観光客を呼び込む為に近くの川に鯉を放流したのは
私が小学生の時だった、でも毎年来るのは観光客ではなく
鯉を狙う大きなな白い鳥だけ。
変わり映えしない風景にため息をつくと、
今日友達が言ってたことを思い出した。
「東京の美容師の専門学校へ行くんだ」
東京か・・・・
修学旅行で行ったっけ・・・でも楽しい思い出はない
空気が汚いし、町は人で溢れていて、なんだか皆せわしない。
それに、田舎者を馬鹿にしそうだし・・・・。
モヤモヤとした気持ちは晴れることなく 今日の天気のようだった。
バス停を降りて石畳の川沿いを歩く私がなんだか惨めに思えてきた。