北海道新聞に掲載された記事をそのまま転載します
2014年1月22日付
今日の話題「福島に寄り添う」
福島第一原発事故の被災地には、仕事の事情などで長期避難や移住はできないものの、家族の健康のために短期保養を希望する人が多くいる。
こうした人達がいつでも、気軽に利用できる通年開設保養所が、今夏にも札幌市内に開設される見通しとなった。
取り組むのはNPO法人「福島の子どもたちを守る会・北海道」だ。受け入れの傍ら、募金を呼びかけ、目標の2千万円にかなり近づいた。
道内への一時保養者は、原発事故以来、道の補助事業だけで約3千人を数えた。諸団体の活動を加えると5千人には達していると、守る会はみている。
「外遊びは控える、土に触ったらだめという暮らしが被災地にはある。道内は安全な食材も手に入りやすい。今後も長期にわたって必要な事業です」と山口たか副理事長は話す。
1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシの子どもを一時的に預かる保養里親運動に全国で最も積極的だったのが北海道だった。年によっては希望者の7割以上を受け入れた。
かつて取材に訪れた道北の滝上町で、ベラルーシからの引率者が語った言葉が忘れられない。
「子どもたちが健康を取り戻すのがわかります。帰りたくないって泣く子もいるんです。日本の人は親切ですからね」
福島の事故後、「北海道はよかったね」「人が優しかったね」と、たくさんの人が思い出を持ち帰った。この輪をもっと広げたい。
(小坂洋石)
3月はイベントもありますよ

たくさんの人達にアピールしたい
