「クラブ経営の難しさ」~Jリーグクラブライセンス | 元衆議院議員 福嶋 健一郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

「クラブ経営の難しさ」~Jリーグクラブライセンス

「クラブ運営の難しさ」
今年J3に降格したガイナーレ鳥取は、J2ライセンスの申請を断念したそうだ。記事では岡野GMのコメントが紹介されている。

<スポニチ記事より>
~元日本代表の岡野雅行ゼネラルマネジャーはJリーグのライセンス制度に触れ「現行ルールでは地方のチームをつぶそうとしているようにしか思えない」と話し、サポーターに理解を求めた。
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岡野GMの気持ちは解るが、少なくともクラブの運営において予算権を持っている(と思われる)人間は、絶対に言ってはいけないことである。

クラブライセンス申請は毎年6月末が提出期限。
一部のクラブを除いて殆どが1月決算であり(一般の企業と同様に3か月後の4月末までに株主総会が開催され、決算が承認される)、前期決算と今期予算の進捗を踏まえて、スタジアムの状況等とともに申請するのである。
(その後ライセンス審査機関で審査が行われ、9月に翌シーズンのライセンスが発行される。)
ガイナーレについては、昨年9月の発行が1ヶ月遅れた。
これは増資などによる財務体質強化の実現に時間がかかったものであったが(難しく言えば「停止条件付」交付)、無事に乗り切ったと思われた。

しかし、様々な報道によれば、前期の決算は赤字となり、結局は1,700万円の債務超過に陥ったということらしい。

Jリーグ規約によれば、J1、J2のクラブライセンス交付がされない状況(財務面)は、
〇3期連続赤字
〇債務超過
となった場合であり、
前期決算で債務超過となったため、来シーズンのJ2ライセンス取得には、(増資による、或いは黒字化による)債務超過解消の「確かな絵」が描けなければ難しく、申請断念に至ったのであろう。

チーム、スタッフ、サポーター、スポンサー、ホームタウンの落胆はどれほどかと思う。つらい。

でもそのことと、クラブ運営に携わる者が公の場で批判することは全く別物である。

クラブライセンスを充足する財務内容は「スタート」であって「ゴール」ではないのだ。
クラブが上記の人々とともに地域の文化の中心として存在するためには、クリアしなければならない最低基準であるのだ。

私も、東京ヴェルディが2014年1月決算を赤字とし処理すべきものを処理した後、2015年1月決算を黒字とするために、「東京のクラブとしては最低クリアすべきものなのだ」という思いで取り組んできた。本日株主総会が行われて、黒字決算が報告されたそうだ。とても良かった。

クラブライセンス制度は、変えるべき点(現行は厳しいという意味で)多々ある。これはリーグ側としても検討に値すると思われる(金融庁検査マニュアルに照らしても)。

ただ、それをクラブの経営陣が言ってはいけない。
入場料収入、スクール収入、広告収入、サポーター拡大や、抜本的な経費削減などまず率先してやるべきことがあるはずだ。

ガンバレ!ガイナーレ。期待しています。