選手移籍とサッカークラブ1「SBAふっけんのサッカービジネス論4」 | 元衆議院議員 福嶋 健一郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

選手移籍とサッカークラブ1「SBAふっけんのサッカービジネス論4」

SBAふっけんです。

さて、前回まで3回に分けてサッカークラブでの
発生しやすい不適切経理につきお話ししました。
このようなことはあってはならないですね。

今回から、またクラブライセンス制度についての
お話しする予定でしたが、選手の「移籍金」等に
ついて教えて欲しいというリクエストを頂いたの
で、またまた脱線して今回から何回かにわたって
移籍金(本来は違約金と言いますが、理由はのち
ほど)についてのお話を致します。

報道では、昨年夏の移籍ではレアルマドリードが
ベイル選手を91百万ユーロ、日本でもお馴染の
ハメスロドリゲス選手を45百万ユーロで獲得し
話題になりました。
現在1ユーロ/132円なのでものすごい金額!
またマンUからドルトムントに移籍した香川真司
選手の場合も8百万ユーロと言われています。

さて、よく「移籍金」と言われますが、日本では
(Jリーグでは)2009年のオフシーズンから
移籍金制度は撤廃されています。
従って、クラブと契約がある選手が他のクラブに
移籍する場合に発生するのは「違約金」です。
違約金は移籍先のクラブから元のクラブに対し
支払われるものです。

次に、その仕組みを見てみましょう。
なお、若手(23歳以下)の選手が移籍する場合
には、
〇トレーニングコンペンセーション
〇連帯貢献金(国際移籍の場合)
などありますが、ここでは簡単に理解して頂く
ためにシンプルにお話しします。

前提として
「Xクラブに在籍のA選手がYクラブに移籍」
というケースを考えてみます。
この場合は
A選手:選手
X:移籍元クラブ
Y:移籍先クラブ
と言います。

まず、A選手と移籍元Xとの関係です。
「違約金」という以上はそもそもAとXが契約を
していることが大前提です。
契約を破棄するから「違約」なのですから。
逆に言うと、AとXとの契約が満了した場合は、
Aがどのクラブに移籍しようと「違約金」は発生
しません。

AとXが結んでいる契約は、
「日本サッカー協会選手契約書」
という契約書で、全クラブに共通のひな型です。
この契約書には、選手がなすべき義務等や報酬、
休暇、契約解除・更新が定められています。
この契約書に
Xクラブ
A選手
法定代理人(Aが未成年の場合)
選手代理人(関与している場合)
がサインをして契約が成立します。

では、「違約金」についてはどうでしょうか。
これは、前述の
「日本サッカー協会選手契約書」
に関する「覚書」と言う形で定められるのです。

この「覚書」には、勝利給などの規程とともに、
違約金の金額についても記載されています。

では、移籍する場合の契約はどうなるのか。
次回をお楽しみに(続く)

2015年2月1日
サッカービジネスアナリスト 福嶋健一郎

1421932705609.jpg