サッカークラブの粉飾決算とは2「SBAふっけんのサッカービジネス論番外編2」 | 元衆議院議員 福嶋 健一郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

サッカークラブの粉飾決算とは2「SBAふっけんのサッカービジネス論番外編2」

サッカービジネスアナリストの福嶋健一郎です。

さて、今回のコラムから粉飾決算の可能性につき

お話ししてゆきたいと思います。

ただ、前回の投稿でもお話ししたように、粉飾は

絶対にあってはならないことです。

コラムでは、その点をはっきりした上で、粉飾と

疑われる取引は行ってはならないという意味で、

お話ししたいと思います。

(ここでは、「税務上」ではなく「会計上」の

粉飾についてお話しします。)

 

1.粉飾決算とは

粉飾決算とは、「不正に会計を操作することで、

収支を偽装した虚偽の決算 報告のこと」です。

簡単に言えば、会社が自分の都合のいいように、

人為的に決算書を書き換えることです。

お客さまや金融機関或いは株主等に対し、会社が

「いい顔」をすることです。

もちろん、粉飾は犯罪です。

もしかしたら、粉飾決算をしなければ会社が倒産

してしまうということがあるかもしれません。

また、サッカークラブで言えば、このままの決算

だと「クラブライセンス」が交付されないという

状況に追い込まれてしまうことがあるかもしれま

せん。

 

それでも、粉飾決算をしてはいけません。

発覚した場合、幹部は「特別背任罪」、担当者は

「背任罪」、他にも「横領」や「詐欺」の罪にも

問われる可能性が高いのです。

 

2.粉飾決算のパターン

簡単に申し上げれば、会社の利益は、

利益=収入(売上)-支出(経費)

となります。

また、企業会計原則では、収入や支出については

同一決算期に提供した役務あるいは提供を受けた

役務に対しそれぞれ収入や支出を計上することと

なっています。

(役務~えきむ~とは、サービスのことと考えて

頂ければ良いと思います)。

 

少し難しくなりますが、実際の収入や支出の計上

と現金の入金や支払(キャッシュフローという)

は考え方が違います。

例えば、サッカークラブの決算月は1月ですが、

1月にクラブの選手を他クラブに移籍させると、

違約金(昔は移籍金と言っていました)を受取る

ことになります。

この場合、違約金としての現金の振込は2月以降

(すなわち翌決算期)になるかもしれませんが、

会計上の収入は今決算期に計上します。

また、今決算期に業者からサービスを受けた場合

には、現金の支払が来決算期であっても、会計上

の支出は今決算期となります。

 

要するに何かのコマーシャルではありませんが、

「今(決算)期のものは今期のうちに」

なのです。

 

そうすると粉飾決算というのは、

「今期のもの(支出)は来期に回す」

「来期のもの(収入)を今期に取込む」

ということとなります。

粉飾決算で利益を多くするには

〇不適切に収入を増やす

〇不適切に支出を減らす

のどちらか、或いは両方を行うのです。

次は、もう少し詳しく見てゆきましょう(続く)

2015125

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