脂質の食事摂取基準 | 保育士試験:保育の心理学・子どもの食と栄養等攻略講座

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<脂質の食事摂取基準>

※ 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を適宜ご参照ください。

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の「脂質」(p110~142)のポイントをまとめます。
2010年版からの変更点も少なくないので、以前から勉強されている方は注意が必要です。


1 脂肪エネルギー比率

脂質の食事摂取基準については、1歳以上は目標量として、乳児は目安量として、脂肪エネルギー比率(総エネルギーに占める割合:%エネルギー)が設定されています。

脂肪エネルギー比率は、男女で違いはありません

● 乳児の目安量は、0~5月は「50」、6~11月は「40」となっています。
● 1歳以上の目標量は、一律に「20~30」(中央値25)となっています。
(中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではありません)。

妊婦・授乳婦の独自の基準はありません。


2 飽和脂肪酸

カプリル酸、カプリン酸、ステアリン酸などがあります。
重要なエネルギー源ですが、摂取量を少なくすると、心筋梗塞罹患のリスクを小さくできることが研究で示唆されているため、目標量(%エネルギー)が設定されています。

● 目標量は、18歳以上のみ、男女とも一律に「7以下」となっています。

妊婦・授乳婦の独自の基準はありません。


3 n-6系脂肪酸(必須脂肪酸)

リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などがあります。
全年齢階級で、目安量(g/日)が設定されています。

● 18~69歳の女性の目安量が「8」であるのに対して、妊婦・授乳婦の目安量は「」なっています。
(付加量としては設定されていません。)


4 n-3系脂肪酸(必須脂肪酸)

α-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。
n-6系脂肪酸と同様に、全年齢階級で、目安量(g/日)が設定されています。

● 18~49歳の女性の目安量が「1.6」であるのに対して、妊婦・授乳婦の目安量は「1.8」なっています。
(付加量としては設定されていません。)


5 一価不飽和脂肪酸

ミリストオレイン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸などがあります。
必須脂肪酸でないため目安量は設定されていません
また、研究が少ないため、目標量も設定されていませんが、多量の摂取は冠動脈疾患や肥満のリスクになることが示唆されているため、過剰摂取に注意すべきであるとされています。


6 コレステロール

2010年版では、成人について目標量が設定されていましたが、科学的根拠が不十分だということで、2015年版では目標量は設定されませんでした
この点は、今回の改定のポイントの一つとして、しっかり押さえておきましょう。

なお、コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、動物性たんぱく質が多く含まれる食品に含まれるため、コレステロール摂取量を制限するとたんぱく質不足を生じ、特に高齢者において低栄養を生じる可能性があるので注意が必要であるとされています。


【コメント】

脂肪エネルギー比率は単純なので、数値もしっかり押さえておきましょう。

(2010年版と異なり)n-6系・n-3系脂肪酸については目安量のみが設定されており、妊婦・授乳婦についても、付加量ではなく、独自の目安量が設定されている点には注意してください。
n-6系脂肪酸の妊婦・授乳婦の目安量(9g/日)、n-3系脂肪酸の妊婦・授乳婦の目安量(1.8g/日)は、できれば押さえておけるといいと思います。

一価不飽和脂肪酸コレステロールについては食事摂取基準が設定されていない、という点はしっかり押さえておきましょう。



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