冬の夜空は澄みきっていて
どこまでも見渡せる
月明かりに照らされて
遥か遠くの星たちが瞬いている


静かな時の中で
止まったように見えるこの景色は
何千年何万年と変わらぬままで
僕らの一生など瞬きにも満たないほどの果てない世界


命は儚いと云う


そんな当たり前の事実を現実と受け止める気概もなくただ漠然と暮らして来た日々に風穴を空けるような





ずっと明日が続くわけではないことを


今日と明日は確実に違っていて
今日という日は
明日にはもうなくなる


そうやって人はどんどん何かを失い、代わりの何かを得ようとする


でもそれも、いつかはなくなって


すべてを失う恐怖と闘い続けてる


人は皆孤独だ


だからこそ支え合う


新たな命を生み続ける


紡いだ命が今ここにあり


星と共に燃えている


それでも人は生き続ける
福島の海はキレイ

なんてもう、言えなくなってしまったのかな

久々の海は相も変わらず、美しい景色を魅せてくれていた。青い空に青い海、そして遠くに見えるのが塩屋崎灯台。そしてそこにはボランティアの人たちが描いた絵が華を添えていた。

この堤防のすぐ後ろには学校がある。家もある。長閑で穏やかな風景は今も変わらずそこにある。でもそこに人はいない。一見普通に思える景色でも、近づくと油絵みたいに粗が出てくる。夏なのにプールは空っぽで、学校の時計は止まったままだし、体育館の入り口はぐねっと曲がってる。家は一階のガラスがないし、コンクリートで塞がれている。打ちあげられた船は魚みたいに横たわって、死んでいた。

悲しい記憶は、いつでもどこでもあちこちに転がっている。他人事では決してない。夢ではない確かな現実の世界。楽しかった夏の思い出、見慣れた景色。何度も行ったあの堤防は波で流され途中がなくて行けなくて、大事な場所だったことに今頃気づく。たまにしか来なかった僕なのに、こんなに苦しくなるのなら。ここにいた人たちはどうしているのだろう。

前を向いて歩くことは出来る。でもつまづく、
こんなに沢山転がっていたら、そりゃぁつまづくよ。下も向いて歩かないとつまづく。足下を見てないと痛い目にに遭うから。安易に上を向いてなんて歩けない。いつまでもと言うけれど、そんなに簡単なことではないんだ。その気持ちだけでもわかって貰えたらきっと慰めになると思います。それでもみんな元気だよ。頑張っている。あちこちに描かれた絵が心を照らしてくれている。

湿った潮風が肌を包み、強烈な陽射しが頭を焦がす。やっぱりここは変わらない。静かに流れる時間の中で僕はまたこんがり焼けて行くんだ。


人生は近くで見ると悲劇だが、遠くからみれば喜劇である。byチャップリン

うーん実に深い名言だ

中学の頃、先生が視聴覚室でチャップリンを見せてくれて、クラス中で大笑いしてたのを今でもときどき思い出す。

なんであんなに笑ったんだろう。

歴史的に貴重な映像をそれが誰かなんて気にせずに、素直に画面に見入っていたあの頃

おバカすぎてドジすぎて、まぬけだなぁとか思ってたけど、言語も違う外国の子供達をこんなにみんな笑わせるなんて実はとってもすごいこと。あんな昔の、ヒトラーなんていた時代だよ、戦争や飢饉で生きていくのもやっとの時代、そんな時代にお笑いやっていたなんて、実はめちゃめちゃありえないこと。

悲劇が喜劇に変わるだなんて、そんなこと

ありえるんだなぁこれが

実は今日、あんなに嫌だったあの場所に、十年ぶりに行ってみた。自分の気持ちはよくわからない。心臓がバクバクしたり、どんよりした気持ちになるかと思ったけれど、それが不思議と穏やかで懐かしい空気が僕を包んでいて、思い出すのはなぜか楽しかった記憶ばかりで、

不思議だな、どうしてなのかな

思い出は美化されて、届かないほどかすか遠くに映る。今ある現実と過去の自分は全然違っていて、そこに繋がりがあるとは到底思えぬ存在に成り変わった気がして

それでも、チャップリンの言葉を信じるならばこの現実もまたやがて喜劇のような楽しい記憶になり変わってゆくのだろう。

本当はもっと遠くから見れればいい、けど今は近くからしか見ることが出来ない。時が人を癒やすのか、遠くから見るにはやはり時間が必要だ。

そんな難しいことは、考えても仕方がない。大切なのは笑うこと、楽しくなること

チャップリンはきっと、そう云いたかったに違いない。

戦争さえも喜劇に変えて、愛と勇気で立ち向かったヒーローは、僕の中でまた美しく輝き続ける。