ママ獣医師の鈴木綾香です
今日は、このパピヨンちゃんのお話です
このパピヨンちゃん、小さい頃から歯石がたまりやすく、口の炎症のため、上顎骨が溶け出してきて、CRP(炎症や感染症があると高くなる値)や白血球が高くなってしまったそう実はこのパピヨンちゃん、東京にいる私の大学時代の同期が診ているワンコちゃん
今まで抜歯をしたり、色んな治療をしていたそうですが、抗生物質をやると、お腹が痛そうなお祈りのポーズをするそうで、なかなか強いお薬が使えない
ということで、飼い主さんが、漢方とかは使えないか?という提案があり、私に連絡してきてくれました
東京には、すごい先生もいっぱいいるだろうに、私を紹介してくれた友人のためにも、しっかり治さないと
このパピヨンちゃん、写真でも分かるように、舌が真っ赤でした
このパピヨンちゃん、
★食欲は元々はすごくある
(小さい頃はビニールなどを食べたり、地面や床を舐めることも)
★口臭やヨダレが強い
★昔からよく吐く(3月にはひどい嘔吐と食欲不振にも)
★たくさんフードをあげると下痢をしたり、フード以外のものをあげると下痢する
こんな症状が前々からあったそうです
うーん、どうやら口の問題は、
胃や脾(小腸)から来ているようです
このタイプ、猫ちゃんでもエイズの子によく見られるタイプです
特にこのパピヨンちゃんの場合には、
胃熱
といって、胃にかなり熱を持っているよう
そこで、胃熱を取るような漢方などを使っていきました
3か月ほどたった今、問題だったCRPも最初は7.0ととっても高かったのが、正常値の0.15以下になったそうです
何より、吐き気や下痢、ヨダレがなくなり、食欲も前のように出てきて、体重も増えてきたそう
気になっていた口だけでなく、体全体を治していける漢方の力ってすごいですね
ワンコも猫ちゃんも、こういう問題の子は多く、一般的な治療は、痛み止めやステロイド、抗生物質で抑える治療になりますが、併用してこのような体の根本から治していく治療もありますよー
もちろん、歯の問題なので西洋医学ありきだと私も思ってます。
歯周病の治療や場合によっては抜歯などの処置も必要となりますので、色んな治療を併用して根本から治していけるといいですね