貧血の原因はどこに? | ママときどき獣医師〜ペットに負担のない治療を目指して〜

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ママ獣医師・鈴木綾香です。東洋医学、整体、理学療法、レメディ等、色々な角度から治療を行う往診専門の動物病院・オムニア自然療法ペットクリニックを福岡で開業しています。2020年4月に,福岡の福間海岸前に『ペットも人も元気になれる施設』P&Hをオープンしました!

こんばんはお願い


ママ獣医師の鈴木綾香ですパー



今日は、慢性腎不全で貧血もあるダックスちゃんのお話です


この子のことは、以前こちらでも書きましたが、その後の経過です
{C439265E-FF1B-4CE2-B4BD-D010C15A5B98}このダックスちゃん、私が往診に伺った時には、結構な貧血があり、肝臓か脾臓に腫瘍があるかもと言われていたそうで、かかりつけの先生に、あまり持たないかもと言われていたそうです



腎臓では、エリスロポエチンという赤血球を作るホルモンが作られるので、腎不全になって腎臓の働きが悪くなっても、貧血は起こりやすくなります


一言で「貧血」と言っても色んな原因、治療がありますが、この子の場合には、腫瘍が疑われ、ステロイドでの治療をしたそうです。


でも、ステロイド投与のあと、嘔吐が結構あり、ぐったりしてしまったので、飼い主さんも初めは途方にくれていらっしゃいました



このダックスちゃんの場合、中医学的に見ると、腎臓が大元に悪いのではなく、脾(胃や食べ物を消化をするところ)の弱りからの腎不全と思われました


6月のセミナーのテーマでもありますが、脾は、体の中でも『気』というエネルギーを作り出すのにとても大事なところです



つまり、お腹が弱いと、どんなに良いお薬やサプリメントを飲んでも全然、効きません。



また、気が作られないと血も作られないという考えなので、どんなにステロイドや造血剤のお注射を打ったりしても、体が反応しないのです



このため、この子の場合には、まずは脾の立て直し、つまり胃腸を強くすることから治療を始めています。


あとは血の流れもとても悪くなっていて、腎臓に入る血液も少なくなっていたので、お血という血の滞りを良くする漢方も使っています



そして、2月からお薬を飲ませて、徐々にRBCという赤血球の数が上がってきました
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もうすぐ2倍近くにまで回復します


BUNやCREという腎機能の値は少し上限はありますが、特にBUNは手作り食ということもあり、若干高くはなっていますが、問題ない程度の上昇です。


ご自宅では、あずきパックでの温灸もされたり、腎臓にいいお食事を手作りされたりと、飼い主さんもとっても頑張った結果ですね



これから、梅雨になり、脾の弱いこの子のような子たちにとっては、若干体調を崩しやすい時期になります。


このような子たちは、季節によっても漢方を変えていきます



このダックスちゃんの体質チェックのお話は、6月のセミナーで詳しくお話していこうと思います



貧血の時には、漢方も取り入れると、改善していくことも多いですよ


さて、来週末からはセミナーラッシュです


どちらも定員や日数を増やしたため、まだ数名空きがあります


今回は、特にたくさんのお写真や動画を使いながら、症例を見て、どんなことが起きているのかも解説していく予定ですので、ご参加される方は、お楽しみに


去年参加された方も、内容がかなりボリューミーなので(なんと過去最高の110枚のスライドになってます)、復習がてら、ぜひまた会いに来てください


セミナーについてはこちらから
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皆様とお会いできること、楽しみにしています