ママ獣医師の鈴木綾香です
今日は、慢性腎不全で貧血もあるダックスちゃんのお話です
この子のことは、以前こちらでも書きましたが、その後の経過です
腎臓では、エリスロポエチンという赤血球を作るホルモンが作られるので、腎不全になって腎臓の働きが悪くなっても、貧血は起こりやすくなります。
一言で「貧血」と言っても色んな原因、治療がありますが、この子の場合には、腫瘍が疑われ、ステロイドでの治療をしたそうです。
でも、ステロイド投与のあと、嘔吐が結構あり、ぐったりしてしまったので、飼い主さんも初めは途方にくれていらっしゃいました
このダックスちゃんの場合、中医学的に見ると、腎臓が大元に悪いのではなく、脾(胃や食べ物を消化をするところ)の弱りからの腎不全と思われました
6月のセミナーのテーマでもありますが、脾は、体の中でも『気』というエネルギーを作り出すのにとても大事なところです
つまり、お腹が弱いと、どんなに良いお薬やサプリメントを飲んでも全然、効きません。
また、気が作られないと血も作られないという考えなので、どんなにステロイドや造血剤のお注射を打ったりしても、体が反応しないのです
このため、この子の場合には、まずは脾の立て直し、つまり胃腸を強くすることから治療を始めています。
あとは血の流れもとても悪くなっていて、腎臓に入る血液も少なくなっていたので、お血という血の滞りを良くする漢方も使っています
そして、2月からお薬を飲ませて、徐々にRBCという赤血球の数が上がってきました
もうすぐ2倍近くにまで回復します
BUNやCREという腎機能の値は少し上限はありますが、特にBUNは手作り食ということもあり、若干高くはなっていますが、問題ない程度の上昇です。
ご自宅では、あずきパックでの温灸もされたり、腎臓にいいお食事を手作りされたりと、飼い主さんもとっても頑張った結果ですね
これから、梅雨になり、脾の弱いこの子のような子たちにとっては、若干体調を崩しやすい時期になります。
このような子たちは、季節によっても漢方を変えていきます
このダックスちゃんの体質チェックのお話は、6月のセミナーで詳しくお話していこうと思います
貧血の時には、漢方も取り入れると、改善していくことも多いですよ
さて、来週末からはセミナーラッシュです
どちらも定員や日数を増やしたため、まだ数名空きがあります
今回は、特にたくさんのお写真や動画を使いながら、症例を見て、どんなことが起きているのかも解説していく予定ですので、ご参加される方は、お楽しみに
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皆様とお会いできること、楽しみにしています