こんばんは
ママ獣医師の鈴木綾香です
今日は、皮膚病についてのお話です
皮膚病と一言で言っても色んな症状があります。
痒みがあるもの、痒みがないもの、皮膚がガサガサで乾燥しているもの、ジュクジュクしているもの、ただ脱毛だけが進んでいくもの…
最近は、人の赤ちゃんや子供でもアトピーやアレルギー持ちの子が多いですが、動物たちもそういう子がとても増えています
そして、皮膚病で痒みがでるときに、普通の動物病院でまず出されるのは、ステロイドや抗生物質。
ステロイドについては前にも書きましたが、痒みや赤みを魔法のように消してしまうので、本当にすごい薬です。
なので、物凄く痒みが強いときなどには一時的に使うこともアリだとは思います。
しかし問題なのは、それを漫然とだらだら数ヵ月、数年も使ってしまうこと
その子自身の治す力も抑えられ、自分の力で治すことができなくなってしまいます。
このヨーキーちゃん、10歳なんですが、色んな問題がありました
一番飼い主さんが心配されてたのは、呼吸困難になりそうなくらいの咳。
他にもお腹が弱かったり、皮膚が悪くなりやすかったりと色んな問題がたくさんでした
私の治療は、その症状だけではなく、全体を見て、少しずつ体のバランスを整えるようにしていきます。
まず一番問題になっていた咳は漢方で徐々におさまってきたようで、便も緩くなることがなくなってきました。
しかし、皮膚はやはり経過が長かったのかなかなか治らず…
お腹がこんな風に黒かったり…
耳の縁や目の周りも毛が抜けてしまっていました。
下関の方だったので、なかなかすぐには行けず、お電話やラインでのご相談だったのですが、かなり痒みがひどいということで、意を決して(笑)、子連れで海を越えて下関まで行って来ました
そしたら、こーんな感じで迎えてくれるとってもいい子
長くなるので、やった治療については深く語りませんが、上半身に上がった熱を出すために鍼やマッサージをし、漢方の見直しをして様子を見ることに…
そして、しばらくしてこのお写真が飼い主さんから送られてきました
お腹綺麗になってる!!!
目の周りも赤みが引いてる!!
耳のカサカサも引いてる!!
痒みや熱をもっていたのも、だいぶ減ったとのこと
ここまで来るまでに、何度も何度も飼い主さんと連絡を取り合い、あーでもない、こーでもないとやりながらでしたので、私もとっても嬉しかったです
最初にお電話をしたときには、呼吸困難で本当にダメなんじゃないかと思ったこともあったと言われていた飼い主さん。
咳だけでなく、体全体の不調を少しずつ改善できてきて、本当によかったです
あれやこれや病気が出ているワンちゃん、猫ちゃん。
一度違った目線から治療をしてみるのもいいかも
西洋医学も東洋医学もどちらがいい悪いではなく、いいとこ取りの治療ができるのが一番いいなと私は思います