たかが「肩凝り」されど「肩凝り」 | ママときどき獣医師〜ペットに負担のない治療を目指して〜

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ママ獣医師・鈴木綾香です。東洋医学、整体、理学療法、レメディ等、色々な角度から治療を行う往診専門の動物病院・オムニア自然療法ペットクリニックを福岡で開業しています。2020年4月に,福岡の福間海岸前に『ペットも人も元気になれる施設』P&Hをオープンしました!

おはようございますニコニコ


ママ獣医師の鈴木綾香ですパー


前回アップした症状、やはり当てはまる子が多かったようですね泣


何人もの方から、「うちの子もです!何かあるんですか?!」とコメントを頂きました汗


セミナーに来られてた方は、聞いたことがあると思いますが…


なんで、「肩凝り」からこの前載せたような症状が出るのかというと…


これ↓わんちゃんを前から見た写真です。

この真ん中の辺りには、気管という空気を肺に送る管が胸まで通ってます。


気管は、例えると柔らかいホースのようになっていて、正常だと、気管はこんな風に真ん丸になってないといけないのですが、

周りから圧迫を受けると…

こんな風に、ペチャーとつぶれてしまうんですガーン


これは、西洋医学では「気管虚脱」と診断される病気ですね。


ただ、ここまでの状態でないとレントゲンなどではわからないことも多いんです。


特に、
「水を飲んだら咳をする」


「興奮したときにゲーッというような吐くような仕草をする」


そんな感じの症状だと、レントゲンとかではまず何も異常がないです。


これが、東洋医学や中医学でいう、
「未病」の状態だと思います。


肩が凝ってくると人間でもそうですが、前屈みになりますよね?(よく猫背と言われるような状態です)


動物も同じで、肩が凝ってる子達は前屈みになっている場合が多く、そうなると1枚目の写真のピンクの斜線部分がガチガチに固まってしまいます。


そうすると、気管をぎゅーっと潰したような状態になるんです。


気管虚脱といわれるほど、ものすごく潰れた状態とかではなかったりすることが多いので、興奮したときとか気管と並んで走行する食道に水や食べ物が一気に入ってきたときとか、そういう気管に一時的に圧がかかってくるようなときとかに発作のように出ることが多いと思われます。


なので、レントゲンで写ることはほとんどないのです。


人でも猫背を治すと呼吸がしやすくなったり、喘息気味なのが治ったということもよくあるようです。


それだけ姿勢って大事なんですよね。


人も動物も。


そして動物の場合は、言葉が話せませんから、肩が凝るとどうするか?


「舐める」

もしくは

「掻く」


ことが多いんです。


肩凝りのある飼い主さんならわかりますよね?


肩がおもーいと思ったら、自分でゴリゴリ肩を押したり、腕を回したりしませんか?


少しでもよくなるように。


動物もそれをしてるんです。


ただ、前足が届かないから耳の後ろ辺りを「掻く」という仕草になっちゃう。


もしくは肩から経絡の繋がる前足先を必要以上に舐めてツボを自分で刺激してるんです。


(もちろん、何らかの皮膚病で舐めてることもありますけどね)


大概、前足を舐める子、耳を掻く子の肩を触るとカッチカチですえ゛!


怖いのは、この肩凝り、人でもそうですが、精神的なものからも起こりますから、気を付けてください。


いつもビビりな子、何か辛いことがあった子、飼い主さんにべったりでいつも見上げている子…


肩周り触ってみてください。


きっとカチカチです怒
(でもこの肩凝り、お仕事で「~マッサージやってます!」て方たちでも見逃してること多いんですよ。だから自分の子だけでなく、色んな子を触ってみるといいと思います)


そして、この肩凝り、慢性化すると上にあげたみたいにどんどん気管が潰れていって、最終的に息がほとんどできなくなることもあります。


「肩凝り」、人も動物も侮れませんよ~ガクリ

(そういう私も今日、整体に行って強制してきました笑)

この子もいつも肩周りカチカチですが、ほぐすと、こんなリラックスした表情に~ラブ