好きなこと嫌いなこと、どっちやっても同じだ・・

ってこれ養老孟司さんの口ぐせのひとつ・・自分はまったく同意できず・・

何度聞いても同意できない。

ひょっとして、デキるひとたちとしか、つきあってこなかったから、

そんなこと言えるんじゃないのかな。

自分は学校集団で底辺にいるしかないとあきらめきった子供たちばっかり、

押しつけられる仕事をしてたから、

好きなこと嫌いなこと、どっちやらせても同じだなんて口が裂けても言えん。

 

できない子供たちを、どうやってできるようにするか、

それが自分に与えられた課題だった。

子供たちにがんばってもらわないと自分も生活に困るし、

難民のように塾をたらい回しにされるのは、

子供さんにも親御さんにもいいことではない。

どの教科もできない。どの教科もきらい。

いったいどうしたらいいの、こんな子たち・・頭をかかえる日々が続きました。

勉強で、イヤな体験を、イヤというほど積んできて、

勉強以外のことにもまるで好奇心を失っている状態。

ところが親御さんは決まって言うんです。

「苦手科目に取り組ませてほしい」と。

は~あり得ん・・そんなこと言ってるから子供さんこういうことになる。

大学出たばかりの受験指導初心者でも、そのくらいはわかったよ。

 

どうして弱点克服がイイんですか。

どうして苦手克服がイイんですか。

どうして向いてないことばかり、やらせなきゃいかんのですか。

弱点や苦手をコクフクするというのは、並々ならぬ努力と根性が必要だし、

たとえ成功しても、部分的で小さな成果しかのぞめない。

その努力と根性の半分でも長所や得意分野に向けたらどうですか。

向いたところに力を入れたら部分的ですが成果は出ますよ。

得意分野ができたなら、そこから全体が底上げできます。

好き・得意が全体を引っ張り上げてくれる。

放っておいても何もかもうまくいくようになります。

 

もうねえ・・こういう話を親御さんにどれだけしたか知れん。

くたびれもうけ・・時間のムダじゃった。

できる子の親って話がわかるのよ。

できない子の親ってダサいのよ。

子供がかわいそうでならんでね・・しかも学校の勉強そのものがダサい。

国語、数学、理科、歴史、地理、公民、英語、音楽に美術に体育に・・

こんなにたくさん分けてるでしょう。

分けたらあかんのよ・・分けるの不自然なのよ・・

でも塾業界のキャッチフレーズは、

ぜんぶの教科を平均的に人並みを目指しましょ、苦手弱点をコクフクしましょ、で。

これ日本全体の教育方針になっちゃって・・

できる子にもできない子にも、苦手弱点の壁に頭をぶつけさせるでしょう。

いらん苦労させて劣等感・無能感・無力感の倍増体験で子供たちが育つシステム。

学校を卒業しても残る劣等感無能感無力感・・一生残っちまう・・

 

自分に子供いたらね、「1、2教科だけでいい」って断言する。

いや、学校の勉強できんでも、なんか好きなことあればいい。

それは世界の常識です。

イギリスだっけ、やっぱり2、3教科なんですよ。子供が選択してる。

イギリスに留学してた中学生ね、体育の内容だって選択してたよ。

それに黒板で説明する授業だけじゃない。個別に対面指導がある。

ペーパーテストだけじゃない。口頭試問も重視されてる。

日本は世界で最も教科数の多い国。

そしてペーパーテスト一辺倒の国。

子供の学習もガラパゴス。

まんべんなく平均的に多くの教科をこなすという方針じたい、

ものすごい偏りがある。

比較教育学では常識のことだが日本の社会常識では真逆になってる。

これも洗脳の結果?

ガラパゴスでも結果がいいならかまわないが、子供がおかしくなってる。

そして・・一番おかしくなった優等生たちが有名大学に行って、

政治家、高級役人、そして医学界や教育界などの重鎮におさまる・・

というように自分の目には見える・・個人的な体験による独断と偏見でしょうね。