知人はサンダル履きでやってきた。

「クツが痛くて履けんのよ」

腫れあがった足は、しかしほぼ炎症がおさまっている。

写真じゃ見事に腫れあがって、

足の親指が真っ赤なリンゴのようになっていたが。

「これ、もう二週間くらい経ってますか」って訊ねたら、「いいや五日くらい」。

は? いくらなんでもそれあり得ないよ。

「あ、病院のクスリ使ったのね」

知り合いの医者に相談して近所の病院にも行って、

五日間というもの、やることぜんぶやってしまってる。

「二日後にツーリングの予定あるんで、

腰をゆるめてもらったら、もっとラクになると思って来た」

心配しただけソンしたな。

たしかに施術後、腫れがひいた。

「これで明後日だいじょうぶ」とほくほくしてる。

「速く治ればいいってもんでもないよ」って一声かけたが、

まったく聞こえてないだろう。

体のじょうぶなひとのあるあるで、

倒れて動けなくなるまでやっちゃうんだ。

せっかくのいい体もあちこち固さが目立ってきた。

一週間や二週間ケチケチしないで、

しっかり炎症させといてやればいいものをとよけいなお世話だね。

 

足首から先のほう、足の指などの炎症や痛みは、

陽性食物(主に動物の肉)の毒素の洗い出しだと東洋の伝統でいわれてる。

老廃物や毒素にも陰陽があるらしい。

重い性質のものを陽性・軽い性質のものを陰性とカウントする。

足首から先、足の指などには陽性・重い毒素が溜まるので、

炎症で代謝を促し、解毒・排毒しましょうという解釈です。

せっかくの炎に水をかけちゃうと、体のお掃除はストップ。

塗り薬や飲み薬も体にとって処理すべき異物・毒素にほかならず、

肝臓・腎臓への負担を増やすと解釈することもできる。

 

炎症の意味、痛みの意味について考察を重ねると、

病気は恐怖や嫌悪の対象ではなく、むしろ感謝を感じることさえ可能。

病気に感謝とはちょっとヘンに聞こえるかもしれませんが。