つらいところって、つい触りたくなる。
いまの病院は患部しか見ないから疑問にも思われない。
患部をいじることは人情、常識とも誘惑ともなるが、
あくまで全体の一部、全体のつながりとして、
触れる必要のあるときには触れ、
触れないほうがよいときは触れない。
そこは判断であり技術でしょう。

操体法の橋本敬三医師は、症状の出ている場所が患部とは限らない、
注意せよと書き遺している。
自分の受けた指導でも何度となく同じ注意を受ける。
ムチウチのときにつらくてたまらなかった首、
「ぜったいにさわるな」と注意を受けていたが、
自分は誘惑に負けてこじらせた。
背中に気になるコリのことを報告したら、
「そこを単独でゆるめると、
アンバランスで立つこともできなくなる可能性あり」と指摘され、
さすがに不用意に触れることはない。

テキトーにやってると思わぬ事故にもつながるし、
因果関係など誰にもわからないことのほうが多い。
君子危うきに近寄らず。
泥沼になりたくないので外堀から攻めます。