ことのは 115 量質転化 | マネジメントの「ことのは」  ==福岡明善の「学びのヒント」==

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現在マネジャーとして活躍するみなさん、これからマネジメントの道を志したいみなさんへの応援メッセージとして、みなさんの気づきを促進できるような「生の言葉」(私は「ことのは」と呼んでいます)をご紹介していきます。

こんにちは。

 

“マネジメント人財の目利き&「大人の学び」の案内人”福岡 明善です。

 

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ことのは 115

 

量質転化

 

(鎌倉投信・鎌倉倶楽部発行メールマガジン、2023年2月3日━Vol.647━)

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 鎌倉投信の創業者で代表を務めておられる

鎌田恭幸さんのメルマガからの引用です。

 

 「26年前のパンフレットを読み返して」と

題されているメルマガですが、そのパンフレットは、

鎌田さんが最初に勤めた

日系の信託銀行時代につくられたリクルート用のもので、

様々な部署で頑張る中堅社員の一人として、

当時、年金基金の運用を担当していた鎌田さん(当時32歳)の

仕事ぶりが掲載されていたそうです。

 

 鎌田さんは、インタビューの中で、

 

資産運用は数字で結果がでる仕事だが、そのプロセスが重要。

仮に思うようにパフォーマンスがあがらなかったら、

なぜ、そういう結果になったのかを突き詰めて考え、次に生かすことが大切。

数字の結果だけを見ているのでは、決して成長しない。

プロセスにこそ厳しい目が注がれている

 

と答えていました。

 

そして、それは今に至る仕事に通じていることだと述懐されています。

 

 鎌田さんは、毎日、会社のシャッターが開く7時に出勤して仕事に励み、

時にお客様に最善のものをアウトプットしようと、よく徹夜をしたそうです。

ご本人は謙遜されておられると思いますが、

 

頭がよく、要領のよい人であれば、

そんなに時間をかけずに効率よく仕事ができるのですが、

私のような凡人は、時間をかけてできるだけよいものにするしかなかったのです。

(中略)そうした不器用な、しかし、自分なりにやれる限りのことをやりきる、

さらには、こころを込めた仕事のやり方から、とても大切なことを学んだ気がします

 

 そして、

 

妥協せずに全力で向き合った仕事は、

仮に結果を伴わなかったとしても、血となり肉となり、

嘘偽りのない経験となって身体、思考、心に沁み込み、次につながること。

そして、量質転化です。

こなした仕事の「量」は、それが中途半端なものでない限り、

次の仕事の「質」に転化すること。

やり切る力や判断する力を高めたことは間違いないでしょう。

私の職業人としての土台をつくってくれたのは、不器用さゆえに、

一所懸命に仕事に打ち込んだ20-30代があったからに他なりません

 

と振り返っておられます。

 

 鎌田さんのことばには実感がこめられています。

 

 加えて、そのことばからは、

鎌田さんの「経験学習」力がとても高いことが読み取れます。

 

 自分の辿ってきた道のり(経験)を振り返ること(内省)で、

ご自身の仕事観や成功・失敗要因を言語化(概念化)しておられます。

それを次の仕事に活かして(適用)おられます。

 

まさに、

経験 ➡ 内省 ➡ 概念化 ➡ 適用の

経験学習サイクルを体現しておられます。

 

 だからこそ、鎌田さんのことばには、説得力があるのだと思います。

 

 では、また。Bonne journée !

 

追伸)

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