小学生でも、今週あたりで夏休みが
終わるところがあるようですね。
北海道なんかの、冬休みを長くせざるを得ない雪国以外は、
全国的に夏休みは8月31日までかと思っていたら、そうでもないのですね。
これって昔からなのでしょうか。
8月31日に終わっていない宿題に追われるっていうのは、日本中に通じる様式美ではなかったのかしら。
私は、いわゆる「夏休みの友」、
つまりドリル系の宿題に関しては余裕だった。
最初の1週間くらいで終わっていた。
手こずるのは自由研究と工作。
これは自分の中で完成度は求めていないので、なんとか8月後半にどうにか案を捻り出して、適当に仕上げて、お茶を濁して終わり。
問題は読書感想文。これは難しいところ。
本は好きなので真面目にやりたいところではあるけれど、学校の宿題としての読書感想文と言われると
たまたま今読んでいる本を題材にするとしたら、
親の本棚にあった西村寿行読んでたりして、
エロとバイオレンス。
それはそれで人間の本質の一側面に迫っているのかもしれないけど、流石に学校には出せない。
アリバイトリックの感想文もなかなか書けないし。
悲恋物の古典名作も案外題材としては難しい。
というわけで、
読書感想文については、しょっちゅう
アンネ・フランクさんのお世話になっていた。
当時なりに裕福に暮らしていたのに、ユダヤ人狩りでジワジワ追い詰められ、ついには隠れ家で息をひそめて暮らすことになる時代の運命、
思春期の揺れる心。
戦局が深刻になるにつれて、重く苦しくなってくる隠れ家での生活。
題材にしやすい要素満載だったので
毎年ちょっと角度を変えて、
「アンネの日記」についてばかり書いていた。
もはや夏になると条件反射でなんだか読みたくなっちゃう。多分50回くらいは読んでいる。
読みだすと、隠れ家での生活ぶりとか、
はじめは苦手だった同居人の少年にだんだん心惹かれていく様子とか、
(余談だけど、囲い込まれて他に選択肢がない、だと、余程変な相手じゃない限り好きになっちゃいますよね…昔のお見合いって良くできたシステムですね)
面白いのでついつい進んじゃう。
だいたい、戦時下とか隠れ家生活とか特殊条件を抜きにしても、そもそも、他人の日記って面白い。
ひと昔前はmixi、今なら各種SNS、
人と繋がりたいという欲求ももちろんあるんだろうけど、自分とは違う人の日常を単に覗きたい、別の世界のことを知りたい、というのも、根源的な欲求なのかも。
そこに、人にこう思われたい、とかの意図がない方がより面白い。
今風に言うとマウンティングがなく、何かを見せつけたいという意志がなく、ただ自分の内側へ入っていく集中力とさらけ出す勇気と、記録への情熱がある方が日記は面白い。
だから本当は何より面白い日記って、人に公開しないつもりのものかもしれない。でも読みやすさ、わかりやすさについては人目を意識して書かれて有ればなお良し。
アンネの日記は父親によってだいぶ手が入っているらしいし、そもそもが本人もいつか出版したいと自分の日記に改訂版を作っていたらしいので、公開する前提といえばそうなんだけど、そこらへんのバランスが絶妙。
今年もチラホラ飛ばし読みで読んだ。
そうやってまた違った思いを抱けるのも、えんえん同じ本ばっかり読む醍醐味のひとつ。
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