『令和を生きる』半藤一利 池上彰
「平成の失敗を徹底検証する白熱対談」と銘打ってるが、本書にあるように平成は経済は二流に、官僚は三流になり下がった30年といえる。そして小泉内閣のときに特命担当大臣だった竹中平蔵が、それまで禁じていた製造業の派遣を解禁、この平成16年の労働者派遣法の施行が現在に続く様々な問題の分岐点になったのは明白であろう。

『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法』永野裕之
永野氏によると、楽な方から得られるものは少ない、楽な方はたいていつまらない、それよりも楽しい方を選べば、自ずと学習効果が上がる。迷ったら、楽な方ではなく、楽しい方を選ぼう。これは勉強だけだはなく、そのまま人生にも置き換えられそうである。

『手のひらの京』綿谷りさ
年代は違えど同じ地域で青春時代を過ごしたこともあり、彼女の作品は折に触れて読んでいる。谷崎潤一郎『細雪』を意識しつつ、そこに田辺聖子テイストを絡めてなかなか面白い。生まれ育った京都アドバンテージを最大限利用してる著名人は多いが、京都の人でしか分からない詳細な描写を読んでると、良し悪しは別にして綿谷さんもその仲間入りを果たしたように思える。
『オデッセイ』
マット・デイモン演じる植物学者でもある宇宙飛行士が火星に取り残され、ロビンソン・クルーソーばりのサバイバル術をみせる。恐らくNASAの全面協力あってこそのリアリティー、そして絶対絶命の境地にあっても(アメリカ人らしい)ユーモアを忘れない主人公とクルー達、(昔ならソ連だが)現代の中国との関係性、よく描かれていて秀逸。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
ケビン・コスナーは以前どこかのインタビューで「西部開拓史やジャイアンツといった映画が大好きだった」と語っていたが、雄大な景色やバファローの大群のシーンなどを見るとまさにそういう映画が撮りたかったのだろうと分かる。ある意味、現在にも繋がるようなアメリカ人(白人)の開拓や侵攻の歴史の暗部を炙り出した点も偉かった。

『イエスタデイ』(劇場にて)
もし自分以外にビートルズを知らない世界になってしまっていたら?細かい点はともかく設定がずるいというか面白く、ファンとしてはなかなか楽しめた。そこで自分も夢想してみることに。もしピンクレディーとキャンディーズを知らない世界になってしまっていたら?般若坂46を結成してあのヒット曲の数々を歌わせて大儲けを目論むかな…
『ザ・シークレット・サービス』
クリント・イーストウッドはこの時63歳とのことだが、老練のシークレットサービスとして、アクションもラブシーンも大いに頑張る。冷徹な殺し屋を演じたジョン・マルコヴィッチの怪演、レネ・ルッソの知的な美貌も忘れ難い。大統領をテーマにした映画は多いが、これは間違いなくAランク。

『グラン・トリノ』
この映画でクリント・イーストウッドが演じた老人は戦争や国産自動車工場で国の為に頑張ってきたが、今では変人扱い、心に深い傷を抱えたままで家族とも疎遠なまま。そんな中、隣のモン族の家族と心を通わせてゆき、最後は彼らの為、そして何より自分の人生に決着をつける為に行動する。勧善懲悪では推し量れない現代におけるヒーロー像を示して、これはイーストウッド監督の中でも最上級レベルの名作。

『海よりもまだ深く』
是枝裕和監督作品。樹木希林が相変わらずうまい。阿部寛はダメ男ぶりが板についてきた。子役の選定はさすが。そして何よりこの監督の真骨頂、演技が皆自然。個人的には『万引き家族』『そして父になる』よりも共感できた。それはやはりキャッチコピーにもあるように、夢見た未来とちがう今を生きているからか。