どうも、福村康廣です。

前回に続き、スペインのワインと醸造についてご紹介いたします。

 

■パラシオス・レモンド

150年以上のブドウ栽培の歴史を持つパラシオス家。1945年に父(ホセ・パラシオス・レモンド)がエレンシア・レモンドの名でボデガを創業し、2000年に息子であるアルバロ・パラシオスが「パラシオス・レモンド」として継いだそうです。

伝統ある5代目の生産者として、自身のこれまでの経験や熱い情熱を持ち、ワインの醸造方法や畑でのブドウ栽培について改良を重ね、短期間でワイナリー改革を実現したといいます。プリオラートだけではなく、地元リオハでも世界的に注目を集めたそうです。

 

醸造方法は、ステンレスタンクでモンテサやベンディミアを。木製発酵槽ではトップクラスのプロピエダッドを発酵させるようです。各樽を置く場所には車輪がついており、熟成中の樽を回転できることで、酸化防止とともにバトナージュ(樽内で熟成中のワインをかき混ぜる作業)効果をワインに与えられるのだとか。

また、小石で表土を覆われたモンテサ畑のブドウを使用したラ・モンテサは、リオアではアルバロ氏にとって一番思い入れのあるワインだそうです。2011年産は、「デキャンタ」誌マン・オブ・ザ・イヤー2015受賞の実績もあるようです。

 

代表的な商品①:ラ・モンテサ【2012】 赤/フルボディ 750ml

代表的な商品②:プラセット・デ・バルトメジョソ【2011】 白/辛口 750ml

 

■コト・デ・ゴマリス

素晴らしい品質向上で知られているリベイロで最も注目を集める自然派ワイナリー。

1970年後半から続く歴史を持つリベイロでは、恵み豊かなテロワール、そして失われつつある地ブドウの価値に真っ先に着目した先代から始まったそうです。

テロワールへの理解が深まったのは、現オーナーであるリカルド・カレイラ氏の父(カコ)が1970年に移住したことがきっかけのようです。カレイラ氏が移住した頃は、クオリティワインへの意識が世界的にも未開拓な時代で、そんな中で畑の植え替えに8年という歳月をかけ、フィロキセラ(世界中のブドウを襲った害虫)禍以前の状態に戻したといいます。

 

古い教区名であり村名でもある「ゴマリス」から名づけられ、「ブドウの樹の新芽」という意味があるそうです。

 

10世紀前のイベリア半島にて修道士の手により造られたクロと呼ばれる石垣で囲まれたブドウ畑が有名となり、当時より「リベイロの黄金の道」と呼ばれている銘醸地でワイナリーを経営しているのだとか。

 

代表的な商品:ゴマリス ドセ[2016]

相当な目利きだけが知る、「ガリシアの隠れた逸品」とも言われる銘醸ワイナリー。

ジャンシス・ロビンソン氏が、見つけ出してくれたバイヤーに感謝する程のワインで、アルバリーニョをはじめ、地元名産品に新風を巻き起こすワインとして知られているようです。