中九州〜南九州ルート4月下旬編

03 阿久根から鹿児島市内へ

 鹿児島県阿久根市「道の駅 阿久根」の駐車場で車中泊し、アラームが鳴る前の朝5時にすっきりと目が覚める。窓の目隠しをズラすと外はすでに明るくなっていた。長距離トラックや車中泊の人々が活動し始める時間なのだろう、徐々に人の声や車の音が大きくなってきた。

 車のバッックドアを開けると、目の前には穏やかな東シナ海。まずは、ガスバーナーにやかんをかけて湯を沸かし、海を眺めながらのコーヒータイム。脳が起き始めたことを感じてから、ゆっくりと朝食の準備に取りかかる。

この日の朝食

 スーパーで買っておいた千切りキャベツはオリーブオイルと自家製の酢醤油、ブラックペッパー、かつお節粉をかけて、トマトとハムを添えたサラダに。ヨーグルトはそのままでも食べるが、全粒粉食パンに塗るのも放浪に出かけた時だけの楽しみだ。食後にもう一度お湯を沸かし、移動中に飲むコーヒーも準備する。

 

鹿児島市内でセカストめぐり

 朝イチの運転は、昼以降確実に飲酒する私の担当。道の駅から国道3号をさらに南下して薩摩半島の南端へ。途中、薩摩川内市から串木野市来までは無料区間を利用し、市来インターからは再び一般道に戻る。

 薩摩半島南端へは、右手に東シナ海を望む国道3号〜国道270号ルートと、国道3号〜国道226号で左手に桜島を望む鹿児島市内経由のルートがあるが、大抵の場合、後者の鹿児島市内経由ルートを選択する。

 理由は、鹿児島市内に多数あるセカストをはしごするため。車中泊や野外食卓に使えそうな道具や雰囲気あるっぽい服を物色し、あればラッキー、なければおとなしく諦める。一度、格安の野外用スモーカーを買うか買わないか悩みに悩み、「やっぱり買いたい!」とテンション上げて店に戻ったのだが、目の前で年配のおじさんに奪われてしまったことがある。その時は「けっこう重くて大きかったし、持ち運びには向かんよね」とか言ってみたが、実際は相当なダメージを受けていた。それ以降、あまり悩まず、出会いを感じられれば即買いするようにしている。

 

 今回のセカストめぐりでは、主に涼しい生地の服を買い漁った。同じ九州とはいえ、こちらは福岡と隣接する北のほう。何度訪れても鹿児島の暑さには慣れず、体力を奪われていく。太陽もグサグサと肌に刺さってくる感じだ。開店と同時に1店目に入店し、お昼頃まで4店はしごして今回の放浪にじゅうぶんな量の涼しい服を手に入れた。

 

04 放浪で身につけた知恵 へ続く