大人が主導して保育を行えばスムーズに進行させることができます。
カリキュラムやマニュアルに従って「例年通り・今まで通り」に保育していれば
大人は一定の安心と評価が得られると思います。
しかし、今の子どもたちが生きていく世の中は「VUCA」の時代
変動が大きいため予測不能で不確実で複雑で曖昧な世の中です。
そのような時代でも他者の評価に振り回されることなく、
状況や環境に左右されないでそれぞれの幸せを獲得してほしいし、
良い影響を与える人材となってほしい。
加速度的に世の中が進歩しているので
「AIが考えてくれるし、答えを教えてくれるから大丈夫でしょ」
と考える人もいるかもしれませんが
AIは使うものであって、AIに支配されるようになっては危険です。
私たちはサイボーグではないので、そのようなものから得られる一時的な安心が幸せではなく
お腹の深くから感じる内需的な暖かさを幸せと感じる生き物のはずです。
幼いころから「自分で考え、自分で決めて、自分で行動して、振り返ってみる」を繰り返し経験することで、
子どもたちは主体的でそして社会や世の中に対して当事者意識を持って関わることができ、
達成感や他者貢献感といった満たされた気持ちを感じることができると信じています。
(ここから本題になりますが)
なので、両園で今年度から積極的に取り組んでいるのが
「大人の都合になってはいないか?大人の安心だけになっていないか?子ども達が中心になっているか?」
を教職員が常に念頭に置き、昨年の当たり前を今年度の当たり前にしないということ。
そして、幼稚園という世界においては主権が子どもたちにあるということ。
積極的に子ども達に話し合いをしてもらい、アイデアや意見を出してもらうようにしています。
先日子どもたちが植えたチューリップの土が掘られていたり、折られているという報告がありました。
①「子どもたちがそのようなことをしないように監視を強めましょう」
②「入れないようにコーンを配置しましょう」
③「約束をもう一度クラスで確認してルールを守らせましょう」
上記①②③をするのは簡単で、過去にはそのようにしてきました。
でも、大人の努力ばかりで子どもは言われたことを守るだけになってしまいます。
主体的でも当事者意識もありません。
そこで、各学年で子どもたちに意見を出してもらうように宿題を出しました。
早速年長組は話し合いをしてくれました。
出た意見はすぐに私のところに報告されました。
鉢植えのチューリップを守るためにどうすればいいか
年長組の子どもたちの答えは
☆煉瓦で壁を作る。中に入れないと困るのでドアも作る。
↓
「お正月にお年玉をいっぱいもらったので、煉瓦をたくさん買ってあげるよ。」1名
「僕は煉瓦を一つ買ってあげるよ」1名
採用されるされないは別として、子どもたちなりに真剣に考えてくれました。
大人がルールを考えて、意見を聞かずにそれを子どもたちに守らせると時間がかからず、そして見栄えもよくなります。
だけど、そんなのつまらないので
子どもも私たち教職員も、心と体と頭をいっぱい使って毎日過ごしたいと思います。