福増幼稚園では1学期の終わりに年長組のみで行う「ドキドキ保育」という行事があります。
大まかな枠組みはあるものの「何をするのか」を自分たちで決めます。
そのためにしばらく前から話し合いを進めてきました。
人の意見を聞き、自分の意見を伝え、何をどのようにするかを皆で調整していくための話し合いです。
年長組になってこそできる行事であり、この行事のゴールを決めるのは子どもたち自身です。
自分たちで決めたことをやっていくので「満足感や達成度」はそれぞれの子どもたちの中にあります。
子どもたちはこのような行事を通して「主体性」を育みます。
さて、この夏には4年に一度のビッグイベントであるオリンピックがパリで開催されます。
金メダルを獲得できるのは1つの競技で1人(1チーム)です。
よく「応援してくれた方々のために」とか「今まで育ててくれた両親や競技関係者への感謝」とか「国を背負って」という話を聞きます。
もちろんそれも大事だと思いますが、
本来は自分がその競技が好きで、その競技をしていることで幸せだからやっているのだと思います。
金メダルを獲得しなければ幸せになれないことはありませんし、金メダルを獲得した人でないと感謝の気持ちが表現できないわけではありません。
ルール上の頂点になれなかったとしても、それぞれの人生の中でたくさんのドラマや感謝の思いが詰まっているはずです。
日本ではいまだに、狭き門を目指す傾向が根強く残っています。
受験や就職が有名なところですね。
大学や会社は選ばなければどこかしらには入れますが、
有名な学校や企業
入るのが難しいところほど価値が高いように思われています。
しかし、限られた枠に入れなかったら不幸せが確定するのでしょうか?
違いますよね。一人ひとりの人生はそれぞれが目標を設定できるのです。
他人や社会の設定した目標が達成できなければ幸せになれないということは全くありません。
幼児期の子どもも大人や教師が設定したゴールを達成すると褒められて喜ぶのではなく、
自分の目標を達成する満足感をたくさん味わってほしいと思います。
幼稚園では2学期に運動会や発表会があります。
勝つことや上手にできることは大人都合のゴールかもしれません。
特に幼児期は「勝ち負け」や「上手下手」で評価を決定するのではなく、
大人が子どもの満足を感じ、その部分を評価してあげるべきです。
もうすぐ夏休み、お子さんと過ごす時間も増えます。
お子さんの満足がいまどこにあるのかそれぞれ確認してみるのもいいかと思います。
健康に気を付け、実り多き夏休みをお過ごしください。