【米下院ではイラン撤退決議が可決】

 6月3日米国の下院は、「イランでの戦争を停止するか、軍事行動を継続する前に議会の承認を求めるよう指示する決議案」を採決し、「215対208」の賛成多数で可決された。民主党の全議員の他、共和党の4議員が賛成に加わったことによる。

 

 そして、上院の採決でも同じ議案が可決されるか、全世界から注目されていた。

 

【米上院でも一旦可決】

 米上院でも6月23日同じ決議案が採決され、「50対48」の賛成多数で可決された。民主党議員の1人が反対し、共和党の議員4人が造反し賛成に加わった。

 

 1973年に「戦争権限法」が制定されたが、大統領に軍事行動の終結を指示する両院一致の決議案が初めて可決承認されたという。上院の共和党の造反議員はランド・ポール、リサ・マコウスキー、スーザン・コリンズ、ピル・キャシディの4議員。

 

 この議会決議は、立法行為とは異なり、議会の意志を表明するもので大統領に対する法的拘束力はない。それでも立法府の両院一致の撤退決議となると、アメリカ政界に大きな圧力を与えるものだろう。

 

 翌日24日に共和党議員の昼食会に大統領が出席し不満を表明。造反したピル・キャシディ議員と怒鳴り合いの激しい言い争いになったという。キャシディ議員は、「あなたは米国民に何が起きているか話していない。(戦闘は)4週間のはずだったのに、4ヶ月も続いた」と反論した。

 

 キャシディ議員は、11月の中間選挙に向け先月行われたルイジアナ州の共和党上院選予備選で、トランプ大統領が推す候補に敗れていた。同氏は、大統領の2021年の弾劾裁判で有罪を支持していた。

 

【翌日に再度採決して今度は否決】

 今から数時間前の24日、米上院はこのイラン撤退決議案を再度採決した。日本では俄かに信じられない事態だ。そして「48対49」で今度は否決した。ポール議員が欠席し、キャシディ議員が今度は反対したという。

 

 その理由は、「昼食会後にホワイトハウスに出向きバンス副大統領からイラン情勢について詳しく説明を受けた」そして「懸念の多くが解消された」として今度は反対したのだとか。

 

 これまで国会議事堂襲撃を巡るトランプ大統領の弾劾裁判で有罪を支持し、ほかにも数々反旗を上げてきた共和党の上院議員で、上院選予備選でも対抗馬を立てられ落選させられたのに、この場に及んでのトランプ助けとはどうにも理解できない。多額のお金でも動いたのではないかとつい邪推でもしたくなるのは私だけか。