【ナフサ不足倒産も伝えられる中で】

 いやはや不思議な事象が起こっている。いろんな産業界で「ナフサ不足」により大混乱が起こっているとニュースで伝えられる。ナフサ不足倒産も報じられ始めた。

 

 一方の高市政府は「年を越えて原油の供給を確保できる目処がついた」「更に踏み込んだ節約をお願いする段階にはない」「供給は年を越えて継続できる」「必要量は供給できている」「目詰まりが生じているのが原因」と、4月から首相も経産大臣も農水大臣も同じコメントを繰り返している。

 

 カルビーのポテトチップの包装がインク不足で黒白になる、というニュースは衝撃的だった。最初はユニットバス設備の設置見通しがつかない、からはじまり、医療用の手袋、キャップ、エプロン、注射器のシリンジなど多くの器材が不足していると各病院の最前線から悲鳴が伝えられた。そして塗料を溶くシンナー不足・・・。

 

【令和の米騒動と酷似】

 この政府の発信と商品現場の大きな齟齬の話は国民は前にも聞いてよく覚えている。一昨年の「令和の米騒動」だ。

 

 政府は生産したお米は十分あって、スーパーなどにお米が無いのは「流通の目詰まりが生じている」「金儲けのため途中で在庫を沢山抱えている卸問屋が存在する」として調べ回ったが、結局どこからも隠したお米は見つからなかった。

 

 収穫したお米に暑さでの不良米が多数出ていたのに、農水省の官僚が当初の生産予測量にしがみつき、結果としての生産量不足が生じてしまい、全国のスーパーなどの棚に3ヶ月は米が消えてしまい大混乱を生じてしまった。農水省の大恥事件だ。

 

【世界は深刻な供給困難を認識】

 国際エネルギー機関(IEA)は、米・イラン戦争で中東の主要な石油・天然ガスなどの関連施設の約40ケ所で深刻な被害を受けて、「史上最大規模となる極めて深刻な供給困難に陥っている」として「第一次オイルショック以上の危機」と伝える。

 

 特に日本ではナフサ不足が深刻。ナフサは原油から精製されてエチレンなどの基礎製品を経て、プラスチック製品から合成繊維・合成樹脂・合成ゴム・塗料・シンナーなどの溶剤など幅広い製品の原料となっている。

 

 原油備蓄の放出や中東以外からの調達で原油を年を越えても確保したといっても、その使い道が多岐に分かれ「ナフサ不足」が生じてしまって、住宅建設にも塗装にも、食料品のトレーや、ゴミ袋、米袋にいたるまでありとあらゆる商品でその入手困難が発生しているようだ。

 

 例えば住宅の塗装ができなくなれば足場業者も出番が無くなり、連鎖倒産も起こり始めているようだ。

 

 「サナエノミクス」は、政府の支出で景気拡大を図るというもので、節約を求め消費抑制につながる政策はその否定でしかない。「目詰まりは迅速に解消している」「まもなくそんなに心配していただかなくともいい情報をお伝えできるかと思っている」という声が空しく聞こえる今日この頃。