カルロス・サンタナの新譜で、多くのアーティストとのコラボレーションによるアルバム。サンタナは過去にも2枚のコラボレーションアルバムをリリースしており、グラミー賞9部門を制覇した"Supernatural"、そして第2作目の"Shaman"は全世界で3,000万枚のセールスを売り上げ、どちらも大ヒットを記録している。
この3作目のコラボレーションはサンタナ自身デビュー30周年ということもあり、これまで以上の豪華なキャストでお馴染みのミッシェル・ブランチに同世代のエアロスミスのスティーヴン・タイラー、HipHopからもメアリー・J・ブライジ、Outcastのビッグ・ボーイ、Black Eyed Peasのウィル・アイ・アム、ショーン・ポール、そしてジョス・ストーン、ロス・ロンリー・ボーイズ、メタリカのカーク・ハメットというコンテンポラリーな旬のアーティストから大御所まで幅広く起用し個性強いアーティストを組み合わせコラボレートしている。
サンタナは、ラテン系の音楽というとまだセルジオ・メンデスらブラジル人らによるものしか存在しなかった時代に登場し、当時彼のラテン音楽を大胆に取り入れたロックは他のアーティストには真似のできない唯一無二のものであった。その後、ロックアーティストの中でも第3帝国の音楽などブルース以外の音楽を取り上げるアーティストが増え、いわゆるワールドミュージックとカテゴライズされる音楽が流行し、メジャーなものになっていく。このアルバムを聴いて分かるとおり、サンタナの音楽はそうしたワールドミュージックのエッセンスを吸収しながら育った新しい感覚を持ったアーティストと非常に相性が良く、それはいかにサンタナの音楽が多様なエッセンスを持っていることを証明している。つまり時代は30年かけてサンタナのワールドワイドな音楽性に追いついたとも言える。彼の音楽性はデビュー当時から一環した高い水準を保っており、彼の一連のコラボレートアルバムは、30年前から彼の音楽がいかに進んだ音楽であったかということの解答でもある。
今回のアルバムでも、個性溢れるアーティストを自らの音楽の適所に配置し、彼らの個性を100%発揮させながらも自分の音楽に染め上げているのはさすがの一言に尽きる。自らの民族性とロックとを融合させた初のアーティストであるサンタナの熱くカラフルなサウンドは、若い世代との交流によってまだまだ進化を続けている。