Creamの1967年のアルバムで邦題の“カラフル・クリーム”というタイトルのほうが一般的かもしれない。。Creamはご存知のとおりエリック・クラプトン(g,vo)、ジャック・ブルース(b,vo)、ジンジャー・ベイカー(ds)の3人によるバンドで、この時点で3人ともブルースバンド出身のミュージシャンであり、結成当時はそういった各メンバーの経歴からブルースバンドとして期待されていた。たしかに彼らの音楽のベースとなっているのはブルースであるが、Creamのサウンドはそれまでのブルースロックとは違った新鮮さがあった。単に黒人のブルースを真似るだけではなく、そこに自分達の音楽観を反映させてCreamならではのブルースを確立したのである。
Creamというとメンバーの個々の力量があったせいか、ジャズの方法論を取り入れたといわれるライブでのフリーなインプロヴィゼーションについて語られることが多い。だが彼ら独自の音楽性が分かりやすい形で表現されているのは、どちらかというとライブではなくスタジオアルバムである。
このアルバムはそのスタジオ盤としての代表作とも言える古典的な名作。アルバムタイトルの“カラフル・クリーム”とは、ピンク中心の派手でサイケ調のジャケットデザインが反映されているが、実際のサウンドはカラフルとはほど遠いもので、彼らのブルージーな演奏と当時のブリティッシュロックが持っていた陰鬱さが充満している。デビューアルバムの“Fresh Cream”ではまだブルースの影響から脱しきれずブルース色の強いアルバムであったが、このアルバムの頃になると外部プロデューサを起用し、オリジナリティーのあるサウンドが確立されている。クラプトンのギターはこの頃から冴えまくっているし、メンバー間のインタープレイの密度の濃さも凄まじいものがあったが、Creamの本質はこのジャック・ブルース主導によるスタジオ盤に込められている。
ブルースロックとしての新しいスタイルを築く一方で、時代のメインストリームであったサイケデリックの波にものまれないCreamのスタイルは70年代のロック、そして現代までのロックの雛形を作り上げたといえるだろう。
最近CDとDVDが発売になって話題になっているとおり、Creamは今年5月ロンドンのRoyal Albert Hallで1968年の解散以来30年ぶりに再結成した。所詮、過去の栄光の再演であり同窓会的な企画であることは否めないが、昔からのファンへのサービスとしてシンプルに楽しみたいと思う。