Bob Dylan - Planet Waves | NOTRE MUSIQUE

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Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

Bob DylanBob Dylanの1974年のアルバム。
バックを努めているのは名作“Music From Big Pink”以来ずっと一緒に活動してきたThe Bandのメンバーたちで、一緒にスタジオアルバムを製作するのは意外にもこのアルバムが初めて。実際のレコーディングはわずか三日間だったらしいが、長年一緒にやっていただけあってルーズではあるが、息のピッタリ合った完成度の高いサウンドを聴かせてくれる。
このアルバムがリリースされる前のディランは、1966年の名作“Blonde On Blonde”で彼自身のフォークロックの頂点まで上り詰めてしまい、しばらく音楽的には停滞が続いていた頃であったが、本作は久々の改作となっている。
収録された曲は、これまでのディランの作風からすると割とポップなものが多く、ディランの代表曲の一つである“Forever Young”は2ヴァージョン連続で収録されている。(LPではA面ラストとB面の1曲目という構成)最初のヴァージョンではディランのストレートなボーカルを前面に出したアレンジで、ディランの訴えかけるようなボーカルが印象的。2ヴァージョン目はThe Bandの南部スワンプロック風なアレンジがされており、ゆったりしたThe Bandの演奏にディランが貫禄たっぷりに歌い上げている。
歌詞はほとんどストレートなラブソングであり、特に結婚というテーマを切実かつ前向きに歌い上げたラストの“Wedding Song”は胸を打つ名曲。
アルバムのタイトルである“Planet Waves”(惑星からの波動)をディラン自身は”自らの運命の啓示を宇宙からのメッセージとして受け取った”と語っている。宇宙からの運命的な啓示というのは、ディランにとっては常に自己に忠実に歌を作り続けることに他ならない。デビューから周囲の期待やブームに流されることなく、一環して自分の気持ちに忠実に自己表現として歌い続けてきたディランが改めてこのアルバムで自己表現の在り方、サウンドの方向性を再確認しているのである。
彼の音楽は曲もサウンド的にそれほど際立ったものもないが、いまだに彼を崇拝する人が絶たないのは、頑なに自己に忠実に歌を作るという彼の音楽への真摯な態度、そして彼の歌に滲み出ている生身の人間臭さがいつの時代も多くの人に共感されているからなのだろう。
そのディランの頑固とも言える自己表現は彼自身が書いたこのアルバムジャケットと彼自身が自分の言葉で語ったライナー・ノートにも表れている。そしてこのアルバムはディラン初の全米1位を獲得し、70年代ロックを語る上では外せない名盤となっている。