Sly & The Family Stone - There's A Riot Going On | NOTRE MUSIQUE

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Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

Sly & The Family StoneSly & The Family Stoneの1971年のアルバム。邦題は“暴動”。
前作の“Stand”から2年半ぶりにリリースされたアルバムで、スライそしてブラックミュージックの歴史の中でも大きな転機となった作品。
暴動というタイトルからは“Stand”後にWoodstockに出演したりと大きく高揚したスライがさらに過激に盛り上がったかのように思ってしまうが、この作品の大きなテーマは“挫折”である。
“Stand”で60年代ブラックミュージックのスター、カウンターカルチャーの象徴的スターとなんたスライではあるが、ここにはその確信に満ちたスライの姿はもうなく、残っているのは挫折感のみ。
サウンド的にも“Thank you”でラリー・グラハムの史上初のチョッパーベースをフューチャーしていたが、このアルバムから大胆にリズムボックスを導入。リズムボックス導入自体はその後のファンクからHipHopへ使用されたり、80年代エレクトロビートの先駆けとも言える歴史的事件ではあるが、このアルバムでは陰鬱とした雰囲気の源となっている。
“Stand”以前は大所帯バンドのイメージが強かったが、このアルバムはほとんどスライひとりで作っており、その結果、当時かなり麻薬中毒だったスライの健康状態・精神状態がストレートに表現された音楽になっている。“Family Affair”などのヒット曲も生まれているが、このポリリズムを聴いているとひたすら暗い気分にさせられる。
ジャケットには大胆にアメリカの星状旗が使われているが、このスライの挫折感そのものが、60年代の反動で夢の崩れ去ったこの時代のアメリカの挫折でもあることを表している。
このスライのサウンドは、JBが作った“Funk”という音楽スタイルの表現方法、サウンドを大きく拡大させた。プリンスの密室型ファンクやエレクトリック時代のマイルス・デイビスに大きな影響を与えている。スライがこれ以降、サウンドど共にひたすら下降線を辿ったのに対して、マイルスはこのサウンドを自分のものとし、次々にファンキーなパワーを増幅させていった。サウンド的には非常に類似点があるが、このアプローチの差は両者のサウンドに明白に表れている。
このSly & The Family Stoneのメンバーは、現在はスライとラリーグラハム抜きで“Family Stone”としてレコーディングを行っているらしいが、もしスライが加わるようなことになれば、彼がこの時代にどんなサウンドを聴かせてくれるのか興味深いところ。これまで何度も復帰の噂がああったが無理だったので、今回も実現することはなさそうだが、どこかで期待してしまうのである。