夏のわすれもの(6〜8歳) | 8歳7歳息子との絵本生活

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絵本感想が中心です。読み聞かせ講座をきっかけに絵本の世界に魅了され、いまは子供そっちのけ、自分が絵本を楽しんでいます。息子たちは、1年4ヶ月差の歳近めの兄弟です。小3の長男、小1の次男です。気になることは子連れキャンプ、子連れディズニーランド。

「夏のわすれもの」

作・絵:福田岩緒

熱中症による、おじいちゃんの突然の死。小学生のぼくがおじいちゃんの死をどのように感じ、どのように死と向き合うかが描かれた物語です。


死をテーマにした絵本だと「おじいちゃんが死んだわけ」なんていう絵本もありました。少しファンタジーも入った内容です。

対照的に、「夏のわすれもの」はファンタジー要素はほぼなし。後半で若干のスピリチュアルを感じる場面はありますが、身近な人の死と対峙した子供がちょっと何かを見るのは、現実的な話ととらえてよいのでは解釈しました。


「あした、手つだう…」それがぼくが最後のおじいちゃんとの会話になるとは。おじいちゃんを手伝う明日は訪れませんでした。明日は、当たり前に誰にも訪れるようで、実はそうではないんだなと。それは、私たち一人一人みんながそうなんですよね。


前半は、おじいちゃんの死が明らかになるまでは、小学生の賑やかな日常。川に飛び込む子供たちの活き活きとした姿は、そのあとの展開との対比的です。


おじいちゃんがなくなって通夜をしてお葬式をしたけれど、なんだかぼくはおじいちゃんの死をうまく消化することができませんでした。ぼくは、おじいちゃんが残してくれたモノに気づき、そしておじいちゃんの死と向き合うことができました。


身近な人との死の向き合い方、乗り越え方は人それぞれ。10人いれば10人のやり方があるでしょうが、この絵本は「ぼく」の体験談から1つの向き合い方を見せてくれます。


今年の夏、私の祖母、子供たちにとっての曾祖母が亡くなり、息子たちは通夜葬儀と参加しました。お骨拾いもしました。子供たちなりになんらか感じることはあったようです。

祖母の葬儀参加の数日後、次男は「時間が巻き戻せたらいいのに。そしたら家族みんなでずっと一緒にいられるのに」と言いました。


絶版絵本ですので、読むときは図書館にてどうぞ。