「なんげえはなしっこしかへがな」
文:北彰介
絵:太田大八
なんげえはなしっこしかへがな
…ながいはなしを話してやろうかな
という意味だそうです。
訳を聞けばなんとなく分かりますが、最初タイトルだけ見たとき、呪文のようで単語の切れ目が全く分かりませんでした。
なんげえはなしっこが短編集のようになっています。1年続く話から10年続く話まであります。終わりがないような気の遠くなる繰り返しが絵本の中で描かれています。
あとがきに説明がありますが、なんげぇはなしっこは、子供がもう1つ、もう1つとお話をせがんだときの対処法なんだそうです。
ガア ポタン…
ガア ポタン…
ガア ポタン…
絵本なので、繰り返しの部分を適当なところで切り上げて読んだのですが、口頭でお話するときは、それを何度も何度も繰り返すそうです。そうすると、「もっと、もっと」とせがんだいた子供は「あとはいい」となるのだとか。もう疲れたからやめようと、親の都合で子供の申し出を断らないための昔の人の知恵でしょうか。
私が子供の頃、父親に「おもしろい話してー」というと、尾も白い犬の話、「怖い話してー」というと、こわい(方言で硬いの意味)昆布の話をされたことを思い出しました。
津軽弁だそうですが、方言で読み聞かせするが、とても気持ちいいです。
とっちぱれ!
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