交通事故で脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)を発症したかが争われた訴訟で、名古屋高裁が今月18日に、事故と発症との因果関係を認める判決を言い渡していたことが分かった。高田健一裁判長は、日本神経外傷学会の診断基準から「(被害者の)疾病が脳脊髄液減少症であることは明らか」と指摘し、被害者の損害などを1564万円余と認定。加害者に対し未払い分588万円余の支払いを命じた。

 1審の津地裁伊勢支部は髄液漏れを否定した。2審判決は髄液漏れについて、国が研究中であることなどを挙げながら、「(発症のメカニズムに関する説明は)医学的な正当性を著しく欠くとはいえない」とした。

 判決によると、会社員の男性(40)は03年10月、歩道を歩行中、乗用車に後ろからはねられ、頭と腰を強打して病院に搬送された。06年3月に髄液漏れと診断され、治療法のブラッド・パッチを3回受けるなどして完治した。【渡辺暖】




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